SNSから犯罪に巻き込まれる「闇バイト」。昨今の社会問題として注目されているが、どのようなきっかけで犯罪に手を染めてしまうのか。特殊詐欺・フィッシング詐欺、「グレーゾーン犯罪」などの対策サービスを提供するトビラシステムズ株式会社が「闇バイト」について実態調査をしている。その結果をみてみよう。
受け子の半数ほどがSNSから闇バイトに応募している
短期間で高収入などといった甘い言葉で巧みに実行犯を募集する「闇バイト」。特殊詐欺の受け子や出し子、強盗など犯罪の実行役をSNSやインターネットの掲示板等で募るケースが多くなっている。2023年11月17日~11月18日に1,206人に「闇バイト」に関する意識調査を行ったところ、10代の約3割が闇バイト募集を「見たことがある」と答えている。警察庁の発表によると、検挙された被疑者の受け子の5人に1人が少年だったようで、若年層が関わっていることも大きな問題となっている。
では、どのような経緯で受け子となってしまうのか。警察庁によると、2023年1月から7月末までに検挙された被疑者の受け子の46.9%が「SNSからの応募」で最多だった。次いで「知人等紹介」が27.5%と、4人に3人はこの2パターンのどちらかで関わっていることになる。
X(旧Twitter)上の「闇バイト」募集例|魅力的な誘い文句の内容とは
トビラシステムズは、実際にSNS上の闇バイトに応募し、特殊詐欺などの犯罪の実行役を募集する「リクルーター」とやり取りを行って実態を調査している。犯罪に加担させられるまでの過程や応募に伴うリスクなどの事例をみていきたい。最も多いきっかけとなっているX(旧Twitter)などのSNS上では、「高収入」「即日即金」「誰でもできる」などの言葉で誘い、簡単な仕事で高額報酬を手に入れられるアルバイトのようにみせている募集が多々ある。だが、実際は特殊詐欺などの犯罪に加担させられるものとなっている。
また、募集当初はダイレクトメッセージで行い、その後秘匿性の高いメッセージアプリであるTelegram、Signalに誘導させられ、そこで仕事の詳細な内容などが説明される。秘匿性の高いアプリに誘われた時点で犯罪に加担する第一歩と思った方が良さそうだ。
そして、参加のためや面接の代わりなどと称して身分証の提示を求められたり、年齢や性別、住んでいる地域を聞かれたりすることがある。これにより、途中でやめたくなっても「家に行く」「家族に危害を加える」などと犯罪組織から脅され、抜け出せなくなってしまう。さらに「預り金」という途中で犯罪から逃げ出した際に当人を探すための金額を要求される場合もあるという。
SNSに氾濫するどんなに魅力的なワードであっても惑わされることなく、絶対に犯罪には加担しないという姿勢が大事だ。
出典元:【トビラシステムズ株式会社】
※サムネイル画像は(Image:「トビラシステムズ株式会社」プレスリリースより引用)