本人かどうか見分けがつかず、騙されてしまう人もいる「なりすまし広告」。実業家の前澤友作氏や堀江貴文氏も、SNSの投資詐欺広告に肖像や名前を無断使用されていることに声をあげており、大きな問題になっています。では実際に、本人と勘違いしたことがある人はどの程度いるのでしょうか? 株式会社オンジンは、SNSを利用している20代~60代479名を対象に、「著名人のなりすまし広告に関する意識調査」を実施しました。
6割以上の人が「SNSで著名人のなりすまし広告を見たことがある」と回答
まずはじめに、「FacebookやInstagramなどのSNSで著名人のなりすまし広告を見たことがありますか?」と質問。すると、65.9%が「はい」、34.1%が「いいえ」と回答しており、6割以上の人が目にしていることがわかる結果となりました。「なりすまし広告」は、思っていた以上にSNSの世界にはびこっているようです。
本人が出している広告だと勘違いしてアクセスしてしまった人は4割弱
続いて、「なりすまし広告を著名人本人が出している広告だと勘違いしてクリックやタップをしたことはありますか?」という質問には、37.2%が「はい」、62.8%が「いいえ」と回答しました。
「なりすまし広告」に反応した人は半数以下にとどまる結果となりましたが、それでもかなりの人がクリックやタップしてしまっている模様。少しでも違和感を覚えたら、しっかりリサーチすることも身を守るうえで大切かもしれません。
「なりすまし広告を著名人本人が出している広告だと勘違いしてクリックやタップをしたことはありますか?」という質問への回答を年代別に見てみると、「はい」と答えた人が最も多かったのは30代の36.76%、次いで2位が40代の19.35%、3位が20代の18.46%、4位が60代の45.38、5位が50代の11.48%でした。
もしかすると、なりすまし広告のターゲットにしている年代に30代~40代が多いのかもしれません。投資や資産運用などを本腰入れて始めてみようかという時期に、つい目を引く広告をクリックしてしまうというパターンもあるので注意が必要です。
半数以上の人が「なりすまし広告に出ている著名人に対して悪い印象を持つ」と回答
同調査で「なりすまし広告に出ている著名人に対してどんな印象を持ちますか?」と尋ねると、「悪いと感じる」の29.5%と「どちらかと言えば悪いと感じる」の27.9%を合わせた約6割(57.4%)の人が「なりすまし広告に出ている著名人」に対して悪い印象を持っていることがわかりました。
そもそも「なりすまし」なわけで、本人には無関係であるにも関わらず悪い印象を持たれてしまうのは気の毒な気もしますが、良くない広告に使用されてしまっては印象が悪くなるのは仕方ないのかもしれません。そのため、問題解決に向けて早急なプラットフォームの改善が求められます。
「なりすまし広告に出ている著名人に対してどんな印象を持ちますか?」という質問の結果を年代別に見てみると、「悪いと感じる」と回答した人が最も多かったのは30代の69.19%、反対に「印象の変化はない」と回答した人が最も多かったのは50代の62.3%でした。
先の調査結果で間違えてアクセスしてしまった割合が最も多かった30代に悪い印象を持った人が多く、アクセスしてしまった割合が最も少なかった50代に「印象の変化はない」という回答が多かったことから、実際になりすまし広告にアクセスしたかどうかによって受け取る印象が違っているように感じます。
警察庁の集計によると、なりすまし広告による都内での被害は、去年1年間で少なくとも210件、およそ38億円にのぼっているそうです。まだまだプラットフォームの対策が整っていない現状では、各個人が騙されない対策を取っていく必要がありそうです。少しでも怪しいと感じた情報には、むやみに触れないよう気をつけたいところです。
出典元:【ONJIN】
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