通勤通学や移動時間にイヤホンやヘッドホンを使用して音楽や動画を視聴する人は少なくありません。WHO(世界保健機関)は、2019年にスマートフォンや音楽プレイヤーなどで大音量の音を長時間聴くと聴覚障害になる恐れがあり、若者を中心に世界で11億人が難聴のリスクにさらされていると発表しています。では、実際にどの程度の人がイヤホン・ヘッドホンを定期的に使用しているのでしょうか。また、耳のためのケアをしているのかも気になるところです。
今回は、株式会社クロス・マーケティングが全国20~79歳の男女2400名を対象に実施した「耳に関する調査(2024年)」をご紹介します。
ほぼ毎日イヤホン・ヘッドホンを使用する人は31%! 20代は半数以上が日常的に使用
はじめに直近1カ月間のイヤホン・ヘッドホンの使用状況を調査したところ、45%の人が直近1カ月間に使用していることがわかりました。使用率は若い年代ほど多く、20代で61%、30代で52%という結果になっています。
また、使用頻度は全体で「ほぼ毎日」が31%と最も多く、「週に4~5日程度」「週に2~3日程度」がそれぞれ22%と続いています。20代でほぼ毎日使用する人は半数近く(45%)おり、30代では36%と、多くの人が日常的にイヤホンやヘッドホンを使用していることがわかりました。
耳のために意識的に行っていることは?
非常に多くの人が日常的にイヤホン・ヘッドホンを使用する中、耳のために何か行っていることはあるのでしょうか。
耳のために意識的に行っていることを調査すると、「テレビ・ラジオの音量を控えめにする」「音楽の音量を控えめにする」「イヤホンやヘッドホンを使わないようにする」「睡眠を十分にとるようにしている」という回答が多い結果になりました。特に70代が耳のために意識的に行動しています。
イヤホン・ヘッドホン難聴への不安は大きい…難聴を防ぐ工夫が重要に
次に、イヤホンやヘッドホン使用時の大音量や長時間利用によって起きるイヤホン難聴・ヘッドホン難聴(スマホ難聴)に対する不安を調査しました。すると、「かなり不安に思う」「まあ不安に思う」という人は合わせて40%で、半数近い人が不安に感じていることがわかりました。特に不安に感じているのは、イヤホンやヘッドホンの使用頻度が高い20代となっています。
最後にスマホ難聴、イヤホン/ヘッドホン難聴の認知率を調査すると、スマホ難聴は「名前も内容も知っている」「内容は知らないが名称は聞いたことがある」と回答した人は合わせて42%。
イヤホン/ヘッドホン難聴は「名前も内容も知っている」「内容は知らないが名称は聞いたことがある」と回答した人は合わせて57%で、多くの人がスマホ難聴やイヤホン/ヘッドホン難聴を認知していることがわかりました。年代別でみると、60~70代の認知度が高く、20代や30代の若い世代の認知度が低いことがわかっています。
日常的にイヤホンやヘッドホンを使用する若い世代は、スマホ難聴、イヤホン/ヘッドホン難聴を特に意識して耳のために工夫やケアを行う必要があるのではないでしょうか。難聴を防ぐためにも、テレビやラジオ、音楽の音量に注意したいものです。
また、イヤホンの使用で外耳炎などの恐れもあるため、日頃からイヤホンを掃除して清潔な状態に保つことも重要だといえるでしょう。詳しい内容はこちらの記事を参考にしてください。
出典元:【株式会社クロス・マーケティング】