新型コロナウイルスの影響でテレワークを導入する企業が増加しています。勤務場所がオフィスから自宅に変わったことで、精神的な健康に影響はあるのでしょうか。今回は、株式会社NTTドコモ モバイル社会研究所が仕事を行っている20~79歳の男女4178名(学生・無職・専業主婦/主夫を除く)を対象に実施した「健康意識とICT利活用の実態について」の調査をご紹介します。
テレワーク実施者の8割、非実施者の6割が「テレワークは疲れが軽くなる」と回答
まずはじめに「テレワークが仕事の精神的な疲れにどう影響すると思うか」と質問すると、テレワーク未実施/テレワーク制度がない人(3405名)の63%が「とても疲れが軽くなる/やや疲れが軽くなる」と回答しました。「とても疲れが増す」と回答した人はわずか10%でした。
では、テレワークを行っている人はどのように感じているのでしょうか。テレワーク実施者(773名)にたずねると、「とても疲れが軽くなる/やや疲れが軽くなる」と回答したのは80%にのぼり、テレワークを行っていない人より高い割合となりました。また、「とても疲れが増す」との回答も3%で、テレワークを行っていない人より割合が低くなっています。
ちなみに、シニア世代(60~79歳)は若い世代と比較して肯定的な意見が少ないものの、73%の男性、77%の女性がテレワークに肯定的で、どの年代においても肯定的な人の割合が高いことがわかっています。
生活の充実度がテレワークによる精神的な疲れに影響
次に、テレワーク実施者を対象に「日常生活の意識とテレワークに対する意見との関係」を調査しました。「同世代の人と比べて毎日を楽しく生活していると思うか?」とたずねたところ、楽しく生活していると思う人の4割以上(43%)が、テレワークで仕事の精神的な疲れが「とても軽くなる」と回答しました。
一方、楽しく生活していると思わない人の14%は「とても疲れが増す」と回答しており、毎日の生活の充実度や楽しさが“テレワークの疲れ”に影響していると考えられます。
続いて「睡眠によって休養が充分にとれていると思うか?」と質問しました。すると、睡眠によって休養が充分にとれていると回答した人の46%が、テレワークによる仕事の精神的な疲れが「とても軽くなる」と回答しました。休養が全くとれていないと回答した人の15%は「とても疲れが増す」と回答。テレワークによる疲れは睡眠も大きく影響していることがわかります。
毎日の生活を楽しめていなかったり、睡眠を十分にとれていなかったりなど、プライベートの時間が充実していないと仕事のモチベーションが高まりづらいもの。テレワークでは仕事とプライベートとのメリハリをつけることが難しいため、睡眠時間が足りていないと精神的な疲れを感じてしまうのかもしれません。
スマホの利用時間もテレワークによる精神的な疲れに影響を及ぼす
最後に「スマホ利用時間とテレワークに対する意見との関係」を調査しました。その結果、「毎日4時間以上」使用する人の83%、「毎日1~4時間未満」使用する人の80%が「とても疲れが軽くなる」「やや疲れが軽くなる」と回答し、スマホの利用時間が長いほど疲れが軽減していることがわかりました。
本調査では、生活の充実度やスマホの利用時間などによって、テレワークによる精神的な疲れへの影響が異なることが判明しました。精神的な健康に悪影響を及ぼさないために、プライベートの時間を楽しむ工夫をしたり、十分な睡眠をとるように心がけたりすることが重要なのではないでしょうか。
出典元:【モバイル社会研究所】