【3】Suicaを使って長時間移動していると自動改札を出られなくなる場合も!
Suicaで入場して長時間移動を行った場合、同じSuicaのエリア内でも自動改札を出ることができなくなるのをご存じですか? これはSuicaの不正利用を防止するための仕組みで、JRから具体的な制限時間の発表はありませんが、およそ5〜6時間程度でこのエラーが発生するようです。
もちろん、きっぷを購入していた場合は、使用期限は購入した日の終電までですので、自動改札でエラーが発生することはありません。もし、長時間改札内を移動することがあるなら、きっぷを利用するようにしましょう。
ちなみに、「大都市近郊区間の特例」を利用した、いわゆる“大回り”移動をする際には、上記のような理由から、Suicaよりもきっぷを利用するほうがオススメです。
【4】今でもSuicaが使えない地域がある!
基本的に、Suicaは日本全国の鉄道やバスなどで幅広く使えますが、まだまだ交通系ICカードに未対応の地域もたくさんあります。その代表的な地域が四国です。そもそもJR四国には自動改札対応駅が少なく、JR四国は交通系ICカードも発行していません。24年7月現在、四国で交通系ICカードが利用できるのは香川県のほんの一部で、多くのエリアでSuicaを利用することができないのです。
もし、四国で旅行するときはSuicaでの乗車は諦めて、きっぷを購入したほうがいいでしょう。ちなみに、香川県の琴平電鉄ではSuicaが使えますし、愛媛県の伊予鉄道は2025年春から、全線でSuicaなどの交通系ICカードが使えるようになる予定です。
【5】Suicaだと運賃が高くなる区間がある!
現在、多くの鉄道会社ではきっぷの運賃とは別にIC運賃の2つを設定しているのは、皆さんご存じでしょう。首都圏では、山手線の初乗り運賃が150円ですがIC運賃のほうは146円で、基本的にきっぷよりSuicaのほうが運賃が安くなりますよね。しかし、一部の地域ではSuicaの運賃のほうが、逆に高くなる場合があることはご存じでしょうか?
たとえば、JR「大宮駅」−JR「宇都宮駅」間では、きっぷが1,340円なのに対しSuicaは1,342円で、なぜかSuicaのほうが2円ほど高くなってしまいます。このようにSuicaのほうが高くなるカラクリは、それぞれの運賃の算出方法が違うから。
Suicaでは税抜き運賃に1.1を掛けて、小数点以下を四捨五入して算出しています。これに対し、きっぷは税抜き運賃に1.1を掛けて、“1の位を四捨五入”します。そのため、きっぷのほうがSuicaより運賃が安くなる場合もあるんですね。
●JR東日本「「IC運賃」が安い場合と「きっぷの運賃」が安い場合がありますが、なぜですか。」は→こちら
まとめ
いかがでしょうか? Suicaは、今や首都圏に住む人にとって欠かすことのできない便利な交通系ICカードです。
しかし、きっぷとまったく同じように使うことができない部分もあり、それぞれのメリット・デメリットを理解していないと、実は損したり旅行先で面倒なことになる場合もあります。
とくに、長距離移動を行うときは、基本的にきっぷを購入したほうが、無用なトラブルを回避できることを覚えておきましょう。