日本の郵便料金は、2024年10月から大幅値上げが予定されている。25グラム以下の定形郵便は現在の84円から110円に、はがきは63円から85円となる。値上げの波は各業界に押し寄せているため驚くようなことではないものの、この値上げは企業や個人などいたるところに影響がありそうで、「郵便料金がこんなに高いならデジタルで…」と変更を考える企業も多いだろう。郵便の代替手段として選ばれるツールは、何なのだろうか。
郵送業務を電子化するならEメールに。SMSやSNSも
リンクスが個人宛の郵送業務を行う20代~50代の会社員・役員300人を対象に「郵送業務と電子化に関するアンケート」を実施。電子化を実施または検討中の256人に、郵送業務の電子化に利用しているツールを尋ねたところ、1位がEメールで62.9%、2位がSMS(ショートメッセージサービス)53.9%、3位がSNSで52.3%という結果となった。
メールとSMSはどちらもリアルタイムで個人宛に送ることができるツール。基本的には受け取った本人しか中を見ることがないため、郵便で送られていたものが変更になる手段として、受信者側も違和感は少ないだろう。
SMSは送信料金がかかるものの、郵便料金と比べればかなり低コストで送ることができるため、コスパの面でも利用を考える人が多いようだ。どちらもプッシュ通知が届くため、開封してもらいやすいという点も支持を集めているのかもしれない。
ただしどちらも、利用しているかどうかはユーザーによるところが大きい。メールは不要なDMなどが届いても良いように「捨てアド」を設定している人も多く、そのメールにDMを送っても見られないことがほとんどだろう。SMSも「迷惑メッセージが多くて見ない」という人は多い。
コスパ、セキュリティ、配信の速さなど、要望多数の電子化ツール
郵送業務の電子化ツールの検討事項は、他にもたくさんある。「電子化ツールに求める要件は何ですか」という質問に対しては、1位が「コストパフォーマンス」で53.1%、2位が「セキュリティ」で48.8%という結果だった。また、3位が「配信の迅速さ」で43.0%、5位には「送付状況の追跡や管理の容易さ」34.8%など、電子化ならではの要望も見られ、せっかくデジタル化するのではあればもっと良くしたいというニーズがあるようだ。
しかし、デジタル化がスムーズに進んでいるかというとそういうわけでもない様子。「郵送業務の電子化について、現在の進捗状況を教えてください」という質問に対し、「一部の業務の切り替えが終了した」と答えたのは24.3%と4分の1ほどで、「現在切り替えに向けて進行中」「まだ着手していないが検討中」を合わせると60.6%と、約6割が電子化意向ありにもかかわらず完了していないことがわかった。
確かに郵送には、内容証明郵便など「郵便ならではのサービス」がある。また、郵送であればチラ見していたDMやパンフレットが、メールになった瞬間開封せずにゴミ箱行き、という人も多いのではないだろうか。郵送物が全て電子化する日は、まだまだ遠そうだ。
出典元:【株式会社リンクス】