関東圏在住の人にはおなじみの交通系ICカード「Suica」。実は、交通系ICカードには鉄道ファン以外にはあまり知られていない、さまざまなトリビアが存在します。そこで今回は、ガチ乗り鉄の筆者が厳選した交通系ICカードのトリビアを7つ紹介しましょう。
【1】実は初期型Suicaにはおなじみの“Suicaのペンギン”がいなかった!
現在では、日本各地でさまざまな交通系ICカードが発行されていますが、日本で最初に発行されたのはJR東日本の「Suica」です。導入されたのは20年以上も前の2001年で、首都圏から少しずつ利用が拡大していきました。
そのようなSuicaですが、実は初期型Suicaにはお馴染みのマスコットキャラクターである“Suicaのペンギン”が描かれていないのをご存じでしょうか? その後、Suicaにはペンギンが描かれるようになったのですが、初期のペンギンの顔は横向きで、今とは全然雰囲気が違うんですね。
現行のSuicaではペンギンの顔がこっち向きでニッコリしており、実に可愛らしい感じになっていますので、一度自分のSuicaがどちらのペンギンなのか確認してみましょう。
【2】相互利用できる交通系ICカードは10種類!
現在、交通系ICカードは日本中どこでも利用できるようになっていますが、全国で相互乗り入れを行っているカードは以下の10種類になります。
■主な相互乗り入れ可能な交通系ICカード
・Kitaca(JR北海道)
・Suica(JR東日本)
・PASMO(パスモ)
・TOICA(JR東海)
・manaca(名古屋市交通局[エムアイシー・名古屋交通開発機構])
・ICOCA(JR西日本)
・PiTaPa(スルッとKANSAI協議会)
・nimoca(西日本鉄道[ニモカ])
・SUGOCA(JR九州)
・はやかけん(福岡市交通局)
この10種類の交通系ICカードなら、基本的に日本全国で利用でき、相互に乗り入れできるようになっています。実は、日本にはJRだけでなく、地域の鉄道会社などが発行する交通系ICカードも多数存在しており、この10種類のどれかと連携することで、使えるようになっていることが多いようです。
とはいえ、地方に行くと自動改札がない駅もまだかなりあって、交通系ICカードは決して万能ではありません。また、先ほど紹介した10種類の交通系ICカードには14の利用可能エリアが設定されているため、そのエリアを跨いで使うことができないので、注意が必要になります。
【3】実はJR四国には交通系ICカードがない!
日本国有鉄道は1987年に「JR」と名前を変え、旅客部門は6社に分割民営化されました。そして、現在ではJR東日本やJR東海、JR西日本はもちろん、赤字路線を抱えるJR北海道でさえ交通系ICカードを独自に発行&運用しています。
しかし、このJR6社のなかでただ1社だけが交通系ICカードを発行していないません。それが「JR四国」です。実は、JR四国では無人駅や自動改札がない駅も多いといった事情もあり、2024年7月現在でも独自の交通系ICカードを発行していないんですね。
現在、JR四国で交通系ICカードが利用できるのは20駅ほどありますが、それぞれの県の中心都市にあるJR徳島駅、JR高知駅、JR松山駅ですら交通系ICカードには非対応となっています。
もちろん、このことは四国在住の人や鉄道ファンにとっては常識なのですが、全国的には意外と知られていない事実なのです。もし、四国への旅行で電車移動される場合はSuicaやICOCAなどの交通系ICカードが使えない地域が多いことは覚えておきましょう。
ちなみに、香川県にある高松琴平電鉄では全線で交通系ICカードに対応しており、自社発行の「IruCa」という交通系ICカードも存在します。しかも、高松琴平電鉄では交通系ICカード10社と連携しているので、SuicaやPASMOなども問題なく使うことができるんですよ。
また、愛媛県松山市に本社がある伊予鉄グループでは、自社で交通系ICカード「ICい~カード」を発行していますが、2025年9月にはJR西日本のICOCAを導入することになり、サービスを終了する予定です。