シフト調整やヘルプの要請、業務の連絡事項など、アルバイト先のコミュニケーション手段としてSNSが活用されている昨今。気軽に連絡を取り合うことができるというメリットもあるが、アルバイト先で個人SNSを教えたくないという人も一定数いるようだ。株式会社アイリッジとディップ株式会社が15歳~49歳の男女約14,000人に実施した「コミュニケーションにまつわるアルバイトのEX(※1)に関する調査」を参考に、アルバイト先でのSNS利用の問題点を明らかにしていこう。
(※1)EX(Employee Experience):従業員が企業で働く中で得られる体験のこと
「プライベートな時間に仕事の連絡が来るのが嫌」という意見が多数
個人SNSで業務上のコミュニケーションを行うことについて、現在アルバイトをしている15歳~49歳の男女7016人に尋ねたところ、27.8%が「できるだけ分けるべき」、14.2%が「望ましくないと思う」と回答。つまり4割以上の人が、個人SNSでの業務利用を問題視していることが判明した。
理由として最も多かったのは「プライベートな時間に仕事の連絡が来ることを避けたいから」46.9%で、特に40代が懸念を示しているようだ。年代別で見ると、10代で最も多かった理由が「SNSは個人的な繋がりの人のみに留めておきたいから」で42.9%、「自分のプライベートな一面を見られることに抵抗があるから」と「プライベートな時間に仕事の連絡が来ることを避けたいから」が同率2位で39%という結果に。多感な年ごろである10代は、職場の人にプライベートの一面を知られたくない人が多いようだ。
20~40代はいずれも最も多かったのが「プライベートの時間に仕事の連絡が来るのが嫌」で、2位は20代が「SNSは個人的な繋がりの人のみに留めておきたい」、30代が「仕事以外で繋がりや関わりが増えるのが面倒」、40代が「仕事以外で繋がりや関わりが増えるのが面倒」と「個人的な連絡やお誘いが来そうだから」が同じ割合であった。若いほど、職場の人と繋がることがネックになっている一方で、年代が上がるにつれて自分のプライベート時間が浸食されることに懸念を抱いている。
管理者側はSNSの問題点を認識しながら利用
アルバイト従業員を多く抱える7業種の管理者に「個人SNSでのアルバイトとのやり取り」についてどう思うか尋ねた調査では、どの業種の管理者も半数近くが「できるだけ分けるべき」「好ましくないと思う」のいずれかに回答した。しかし、実際にはLINEを中心とした個人SNSでのやり取りが幅広く行われていることが判明。最も割合の多かった飲食業では、約半数がSNSを利用しているようだ。
管理者がSNSの問題点を認識しながらも利用する理由としては、他ツールを使うことにアルバイト全員から合意を取る難しさやコストなどを挙げる声が目立った。また使用するにも、社員同士のツールと分ける必要があったり、ガイドラインなど運用ルールが必要であったり、全員がツールを使いこなせない可能性があったりと、ハードルがいろいろあるようだ。
ただし、半数近くがプライベートな時間に業務連絡に煩わされているという現実からは目をそらすことはできない。管理者とアルバイト従業員の双方が、どのようなやり取りが適切なのかを話し合える環境が作れるのが理想的といえそうだ。
出典元:【株式会社アイリッジ/ディップ株式会社】