スマートフォンで簡単に読める手軽さから利用者が多いデジタルマンガ。ユーザーはどんな頻度で読んでいるのか、またどのようなサービスに重きを置いているのだろうか。グローバル規模で台頭する「縦スクロールマンガ」への意見など、サービス設立20周年の「コミックシーモア」のユーザー満足度の調査について詳しくみていきたい。
ユーザーの約9割がほぼ毎日利用、継続利用希望者は約9割
どこでも手軽に楽しめるデジタルマンガ。単行本と違って収納場所をとることもなく、移動中の隙間時間に楽しんだり、自宅でのリラックスタイムにゆっくり読んだりする人も多いのではないだろうか。サービス設立20周年を機に、コミックシーモアが2024年7月24日から7月31日、ユーザー4,776人を対象に「コミックシーモアのユーザー満足度」の調査をしたところ、87.4%の人が「ほぼ毎日(週5日以上)」利用していることがわかった。
どういったサービス内容がうけているのだろうか。「利用している理由」について聞いたアンケートでは、1位が「作品ラインアップの豊富さ」72.1%、2位が「作品レビューの多さ」59.5%、3位が「無料作品の豊富さ」31.4%。また、85.5%ものユーザーが今後も利用したいと答えており、現在のサービス内容の満足度が高いことが伺える。
96.6%のユーザーが新しいマンガや今まで読まなかったジャンルを楽しんでいる
昨今よく目にするようになった「縦スクロールマンガ」は、韓国発のデジタルマンガで現在は世界的にも注目されている。コミックシーモアユーザーに「縦スクロールマンガを読んでいる割合」を聞いた調査では、「3割未満」との回答が86.1%と意外にも多かった。「読みづらい」との意見が多く、具体的には「スクロールするのが疲れる」といった声も上がった。たしかに見やすさはあるものの、スクロールの多さは否めない。
また、デジタルマンガにおいて「新しいマンガとの出会い」についての質問では、「出会いがあった」との回答がなんと96.6%。さらに77.5%のユーザーが「今まで読まなかったジャンルのマンガを読むようになった」と答え、無料作品やキャンペーン、ユーザーの作品紹介などがきっかけでジャンルの幅を広げているようだ。コミックシーモアの販売企画力や広告宣伝力の高さゆえの効果ともいえ、その点は出版社を対象におこなった満足度調査からも伺うことができる。
コミックシーモアが2024年7月16日から8月5日に出版社43社に行ったデジタルマンガについての調査では、回答したすべての出版社が、電子書籍市場の拡大によってマンガが売れるように(売りやすく)なっていると答えている。また、すべての出版社が、今後もコミックシーモアに作品を配信していきたいと答えている。
9割以上の出版社が「作家の活躍の場が広がった」「新たな読者層の獲得に繋がっている」と回答しており、新聞や雑誌などが発行部数減を余儀なくされるなか、マンガに関しては電子書籍市場の拡大がうまく跳ね返ってきている格好だ。
さらに95.3%の出版社がコミックシーモアでの先行配信で売上を伸ばすことができており、今後も大きな成長が期待できそうだ。
出典元:【エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社】