ステマ規制が始まってはや1年。違反した場合は措置命令が広告主に発令され、その事実が公表されてしまうため、企業にとってはユーザーや市場からの評価が下がるなど大きなリスクになるが、ステマは減少したのだろうか。筆者の体感としては「#PR」と記された投稿が増えたように感じるが…。
ステマ依頼は減少しつつあり、ステマ規制の認知度もアップ
ステマとはPRであることを隠して行う広告のことで、ステルスマーケティングの略称だ。ステマ規制とはそういった広告への規制のことで、景品表示法にて規制されている不当表示にあたる。芸能人やインフルエンサー、あるいは従業員や外部業者が、いかにも良い商品・サービスであるかのように口コミをSNSなどに投稿することで、過去に日本国内でもさまざまな事案がニュースとなった。そのため、2023年10月1日からステマ規制がスタートしたが、規制後に変化はあったのだろうか。
リデルが、自社運営のサービスに登録するインフルエンサー 250名を対象に「ステルスマーケティングに関する調査 2024」を実施した結果を見ると、ステマ規制は有効だったことがわかる。「ステルスマーケティングの依頼は減少したと感じますか?」という質問に対し「減少した」と答えた人は71%だった。2023年11月に実施した同様の調査が35%だったことを考えると、規制による抑止力が数字として見てとれる。
また「ステルスマーケティングを知っていますか?」という質問に対しては、96.4%が「知っている」と回答。2022年8月の調査では94.7%だったため、認知が微増している。
ステマ依頼を受けないインフルエンサーは半数以上、だが…。
では、ステマはもう絶滅したのだろうか。「ステルスマーケティングを広告主から依頼されたことがありますか?」という質問に「1年以内にある」と答えた人は22.4%だった。2022年8月の調査では41%が「ある」と答えているため、ステマ依頼は減少しているものの、ゼロではないことに驚きだ。
さらに、「ステルスマーケティングの依頼をどうしましたか?」という質問に対し、「全て受けなかった」が53%と半数を超えているものの、「一部受けた」「全て受けた」というインフルエンサーも半数近く存在する。インフルエンサーの中には代理店や広告主から依頼されるままに投稿してしまったケースもあるようで、中には「投降後に広告表記を取るようステマ指示を受けた」という悪質なパターンもある様子。まだまだステマは世の中に残っているようだ。
ではインフルエンサーはステマを悪いことだと認知しているのだろうか。「あなた以外のインフルエンサーがステルスマーケティングを行うことについてどう思いますか?」という質問に対し、「悪いことだと思う」が61.7%、「わからない」が32%、「悪くない」が9%と、ステマ規制への理解はまだまだ浸透していない様子。SNSユーザーは投稿された情報をうのみにせず、きちんと自分で判断することが求められる。
出典元:【LIDDELL株式会社】
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