大学生などのZ世代の間で広く使われてきた位置情報アプリ「Zenly」。友人との待ち合わせに使ったり、スマホの紛失に備えたり、あるいは災害時の安否確認として使うなど、さまざまなシーンで利用されていたが、2023年2月にサービスが終了した。その後、位置情報アプリ界隈で新たな動きが見られるが、大学生らは位置情報アプリに何を求めているのだろうか。
Z世代が位置情報アプリに求めるものとは?
スピンシェルは2024年7月10日~12日、全国の大学生男女448人に対し、大学生の位置情報アプリ利用実態調査を実施した。「位置情報アプリに求めるものはなんですか」という質問に対し、1位は「位置情報の正確さ」で72.1%だった。次いで「サービスに対する信頼感や安心感」が56.9%、3位は「バッテリーの消費量の少なさ」で52.7%となっており、Z世代は単に位置を共有するだけでなく、そのサービスの信頼性や安全性も重視しているようだ。
Zenlyは月間約4,000万人のアクティブユーザーを抱える人気アプリだったが、そのサービス終了後も存在感を放っている。「位置情報アプリと聞いて、最初にどのアプリを思い出しますか?」という質問に対し、57.6%がZenlyを挙げ、2位のアプリとは2倍以上の差をつけている。
興味深いのは、Zenlyのサービス終了後に70.8%のユーザーが位置情報アプリの使用自体を辞めたという点だ。回答者の半数程度がZenlyを使用していたものの、現在他の位置情報アプリを使っているのは29.2%で、Zenlyへの信頼度は相当高かったようだ。
新たな位置情報アプリ「Bump by amo」への期待
2024年4月にフランスでローンチされた「Bump by amo」は、Zenlyの開発チームが手がけた新しい位置情報アプリだ。Bump by amoは、単なる位置情報の共有ではなく、友達が遠く離れていてもそばにいるような感覚を生み出すことを目指しているという。調査では、94.0%がBump by amoを知らないと回答しており、認知度はまだ低いものの38.2%が使ってみたいと答えている。
特に、Zenlyチームが作ったアプリであることを理由に信頼できると回答した人が54.3%に上り、Zenlyへの高い信頼度がBump by amoへの期待につながっているようだ。ZenlyやBump by amo、さらには「BeReal」など、フランス発のアプリが日本の若者の間で人気を集めている。フランスでは、日常生活や人生を楽しむことに真剣に取り組む姿勢が根付いており、「日常をより楽しく、より快適にする」という視点が他国に比べて優れているとされている。この傾向がアプリ開発にも反映されているようだが、SNS疲れなどの現象に悩まされるZ世代にとって、本当に親しい人と親密でリアルタイムなコミュニケーションがとれるこれらのアプリの支持を得た要因になっているようだ。
出典元:【ME by Spinshell】