ネットやスマホの普及に伴い、オンライン詐欺の被害が急増している。特に2023年以降、生成AIの登場により詐欺の手口がより巧妙化し、被害が拡大しているという。Gogolookが発表した「日本詐欺レポート2024」によって、日本における詐欺の実態と最新のトレンドが明らかになっているため、被害に遭わないためにも確認してほしい。
日本人の7割以上が月に1回以上詐欺に遭遇
Gogolookは、創設メンバーである「グローバル詐欺対策連盟(GASA)」及び、ScamAdviserと提携し、「日本詐欺レポート2024」を2024年10月21日~22日までシンガポールで開催される「GASAグローバル詐欺対策サミット-アジア」に先駆けて発表した。調査結果によると、日本人の約71%が少なくとも月に1回は詐欺に遭遇しているという。さらに驚くべきことに、24%の人が「毎日、詐欺に遭遇している」と回答しており、日本人の4人に1人が毎日何らかの詐欺に直面している状況だ。
この増加の背景には、生成AIの登場が大きく関わっていると考えられている。2023年以降は、1カ月あたりに遭遇する詐欺の数が8%増加。生成AIの発展により、詐欺師たちは簡単に巧妙な詐欺メッセージを作り出すことができるためだろう。日本では40%の人が「AIで生成された詐欺メッセージを受け取った」と回答している。
では、日本で多い詐欺の手口は何なのだろうか。1位は「個人情報の盗用」で、12%の人が被害に遭っている。次いで「投資詐欺」(6.2%)、「前払い金詐欺」(5.5%)、「ショッピング詐欺」(4.9%)という結果だった。また、詐欺被害者の28%が、詐欺師との最初の接触から1日以内に騙されているという。詐欺師は被害者の恐怖や欲望を巧みに利用し、迅速な行動を促すことで、被害者が冷静に考える時間を与えないようにしているようだ。金銭を要求するメッセージには、最低1日は間を空けて対応すると良いだろう。
Gmail、Amazon、各SNSが詐欺の温床に
そもそも詐欺に遭いやすい場に近寄らないことが得策だが、詐欺が横行しているプラットフォームは何なんだろうか。日本では、「Gmail」(40%)と「Amazon」(28%)が最も詐欺が多いプラットフォームとして報告されている。続いて、「Instagram」(25%)、「X(旧Twitter)」(24%)、「Facebook」(22%)などのSNSも詐欺の温床のよう。特に「Facebook」での詐欺は前年比5%増加しており、注意が必要だ。
最後に、個人でとれる詐欺対策を紹介しておこう。まずは個人情報の取り扱いに注意すること。ネット上で個人情報を入力する際は、信頼のおけるサイトかどうかをしっかり確認しよう。オンラインショッピングなどは、低価格に目を奪われないよう、信頼できるサイトのみを利用するようにしたい。次に不審なメールやメッセージに警戒すること。特に、投資や金銭の要求には慎重に対応しよう。また、AIによる偽の音声や映像の可能性を意識することも必要だ。慎重な人であっても騙されてしまうほどの巧妙さが、現代の詐欺手口にはある。そして、不審な点があれば、すぐに周囲や専門機関に相談することを心にとどめておきたい。
AIの発展により、詐欺の手口はますます巧妙化しているが、同時にAIは詐欺対策にも活用されている。大切なのは、日々進化する詐欺の手口に対して、常に最新の情報を入手し、警戒心を持ち続けることだ。
出典元:【Whoscall株式会社】