ふるさと納税の目的は「返礼品」優先? 地方自治体への貢献は後回し?【あけるさいむ調べ】

近年、ふるさと納税は返礼品競争が過熱し、本来の目的である「故郷や応援したい地域に貢献する」という点が問題視されています。では実際、世の人たちはふるさと納税をどのように捉えているのでしょうか。今回は、「『ふるさと納税・寄付先を選ぶ基準』についてのアンケート」をご紹介します。

「返礼品」を目的にふるさと納税を行う人は約7割

ふるさと納税をする目的は「返礼品」(「あけるさいむ」調べ)

株式会社ONE FOR ONEが運営する「あけるさいむ」では、ふるさと納税をしたことがある人たちに「『ふるさと納税・寄付先を選ぶ基準』についてのアンケート」を実施。まずはじめに「ふるさと納税をする目的」を質問すると、全体の約7割(69.2%)が「返礼品」と回答し最も高い割合を占めました。

ちなみに、ふるさと納税の本来の目的である「地域貢献」は約1割(8.5%)にとどまっています。

寄付先を選ぶ基準は返礼品(「あけるさいむ」調べ)

次に「ふるさと納税の寄付先を選ぶ基準で以下のうち、最も重視するのは?」とたずねたところ、約9割(87.7%)が「返礼品で選ぶ」と回答しました。「応援したい自治体で選ぶ」との回答は11.5%で、寄付先を選ぶ基準においても、ふるさと納税の本来の目的の「地方自治体への貢献」と異なる結果となりました。

応援したい自治体や地域があっても、魅力的な返礼品のある自治体に寄付する人は8割以上

ふるさと納税に期待するのは返礼品や節約(「あけるさいむ」調べ)

「ふるさと納税をしてよかったと思うことは?」と質問すると、77.7%と8割近い人が「返礼品が嬉しかった」と回答。寄付を行った結果得られる物質的な見返りが、ふるさと納税の満足度が高まる要因だとわかります。

また、13.8%は「節約になったことが嬉しい」と回答しており、ふるさと納税を行う人の多くが返礼品や節約に期待しているようです。

この結果からも、ふるさと納税の本来の目的である「地方自治体への貢献」を実感する人は少なく、地域貢献への意識が薄いことが伺えます。

自分の応援したい自治体・地域があるものの、多くの人は魅力的な返礼品がある自治体に寄付(「あけるさいむ」調べ)

次に「自分の応援したい自治体・地域は思い浮かぶけど、魅力的な返礼品のある自治体・地域に寄付しがちですか?」とたずねたところ、86.9%が「はい」と回答し、約9割の人が魅力的な返礼品がある自治体に寄付をしていることがわかりました。

他の地方自治体と比較すると返礼品で勝てない…ふるさと納税をアピールする方法は?

ふるさと納税のアピール方法は、寄付金の使い道の公開や魅力的な返礼品づくり?(画像はphotoACより)

「他の地方自治体と比較すると返礼品で勝てない…」という自治体は、どのようにふるさと納税をアピールをするのがいいのでしょうか。アンケートを取ると、以下のような回答が得られました。

「魅力のないものをアピールしても限界があるので、魅力的な返礼品を作り出す努力が必要だと思います。例えばその自治体までの旅費の一部をチケットとして返礼品にすれば僅かですが訪れる人が増えますし、訪問中の写真をSNSに投稿したらさらに割り引く等にすれば、それ以上の効果が出るかもしれません。返礼品と地域の有名な場所の命名権をセットにするとか、考えればいくらでも案はあると思います」(50代/男性/自営業/北海道在住)

「納税されることによって、どれだけその地方自治体が経済的に助かるのか具体的に説明して、興味を引き付けられるように工夫するとよいと思います。寄付金の使い道の説明や報告をしっかり行って信用を得られるように努力するとよいと思います」(40代/男性/会社員/大阪在住)

「ふるさと納税で得た税収の使途の公開・報告を積極的に行うとよいと思います。納税時に選択することができますが、実際にどのようなことに役立てられたのかがわかると、翌年も同じ地方自治体にふるさと納税するきっかけになると思います」(20代/男性/学生/茨城在住)

「自治体を紹介する文で、抱えている課題や問題解決に対してどのように取り組んでいるかなど丁寧に書かれているとすごく気になります。わかりやすい言葉を意識して、しっかりと伝えることで共感できます。そうすれば、魅力的な返礼品が少なくても応援したいと思えます」(40代/女性/会社員/北海道在住)

自治体にふるさと納税を行うことにより、自治体がどのような効果が得られるのか、寄付金の使い道は何なのかなどを明らかにすべきだと考える人が多いようです。また、魅力的な返礼品を作り出すことも欠かせないという声も見られました。

寄付金の使い道として最も優先して選びたいのは地域活性化(「あけるさいむ」調べ)

最後に「ふるさと納税の寄付金の使い道として最も優先して選びたいのはどれ?」と質問すると、33.8%が「地域活性化」と回答。地域の発展や魅力を高めることが重要と考える人が多いことがわかります。このほか、自然災害などからの「復興支援」に寄付金を使ってほしいという回答も20.8%で高い割合にのぼりました。

本調査から、ふるさと納税を利用する人の多くは、本来の目的である「地方自治体への貢献」への意識が薄いことが判明。しかし、ふるさと納税による寄付金は、地域活性化や復興支援、教育・子育て支援、医療・福祉・介護など、地域社会の持続的な発展や将来をよりよくするために利用してほしいと考る人も多いようです。

そして、「他の地方自治体と比較すると返礼品で勝てない…」という自治体は、寄付金の使い道を公開したり、地域に住む人へどのようなよい影響を与えるかを公表したりなど、積極的に発信する必要がありそうです。

出典元:【株式会社ONE FOR ONE
出典元:【あけるさいむ

※サムネイル画像(Image:nikkimeel / Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています

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