首都圏に住んでいる人なら交通系ICカードの「Suica」か「PASMO」を持っていると思いますが、アナタはどっち派ですか? もちろん、どちらも持っているという人も多いと思いますが、実は、SuicaとPASMOにはさまざまな違いがあるんです。そこで今回は、SuicaとPASMOそれぞれのメリットとデメリットを比較してみましょう。
SuicaとPASMOは何がどう違う?
SuicaとPASMOは、どちらも首都圏を中心に利用されている交通系ICカードです。もちろん、Suicaでも私鉄や地下鉄、バスなどに乗れますし、PASMOでもJR路線や私鉄、バスにも乗車可能です。また、どちらもコンビニやレストラン等での支払いにも利用できるので、この両者にいったいどんな違いがあるのか、まったく分からないという人も多いでしょう。
まず、Suicaは2001年11月から、日本初の交通系ICカードとして誕生しました。発行はJR東日本が行っておりJR路線を中心に利用できます。
JR東日本によると累計発行枚数は約9,200万枚。交通系ICカード全体の累計発行枚数が2億枚ですから、半数近くをSuicaが占めているんですね。これは驚きです。ちなみに、モバイルSuicaは2023年3月に発行枚数が2,000万枚を超えています。
次に、2007年8月からサービスを開始したPASMOは、株式会社パスモが発行する交通系ICカード。東京メトロや私鉄、バス会社などで販売されています。株式会社パスモは、発足当初鉄道23事業者、バス31事業者で開始されましたが、現在では累計で4,000万枚以上が発行されており、モバイルPASMO利用者は500万人以上となっています。
Suicaのメリットとは?
それではまず、Suicaのメリットから紹介していきましょう。これはPASMOのデメリットになります。
Suicaのほうがポイントを貯めやすい
JR東日本ではクレジットカード「ビューカード」も運営しているため、Suicaとビューカードの組み合わせなら、かなりポイントが貯めやすくなっています。
たとえば、モバイルSuicaにビューカードからチャージすると1.5%還元、定期券やグリーン券、新幹線のチケット購入で5%還元。ほかにもモバイルSuicaグリーン券やえきねっとでの新幹線eチケットの購入でも5%が還元されるんですね。しかも、2023年10月にはJRE POINTステージ制度も始まっており、ステージごとにお得なサービスが受けられますよ。
一方、PASMOのほうは独自ポイントがなく、その代わりにPASMO加盟会社ごとにポイントを貯めることができます。
たとえば、「小田急ポイント(小田急)」「トプポマイル(東武)」「SEIBU Smile POINT(西武)」「京急プレミアムポイント(京急)」「メトポ(東京メトロ)」のポイントを、PASMOにチャージして残高として利用することが可能となっています。
ただし、各社それぞれに還元率やサービスに違いがあり、筆者には貯めにくさを感じてしまいます。通勤で地下鉄や私鉄を利用する機会が多い人は、その路線ごとのサービスを調べてみるしかありません。
なかでも小田急ポイントは、ライフラインとなる電気とガスの会社「小田急でんき」を運営しており、還元率はクレジットカードと連携することで1.5%程度になりますが、家族全員で利用すれば、かなりポイントが貯まると思います。
●小田急でんき(公式)は→こちら
Suicaのほうがオートチャージが使いやすい
SuicaとPASMOには、それぞれスマホで使えるアプリがありますが、実はオートチャージには少し違いがあります。
1日のオートチャージの上限は、モバイルPASMOが1万円なのに対し、モバイルSuicaのほうは2万円となっています。
しかも、モバイルPASMOには1カ月のオートチャージに5万円の上限が設定されています。これに対し、モバイルSuicaには1カ月のオートチャージに上限はありませんので、PASMOより使いやすいでしょう。
PASMOのメリットは?
次に、PASMOにはどんなメリットがあるのか確認してみましょう。これはSuicaのデメリットにもなります。
PASMOのほうが販売チャネルが多い
Suicaの販売場所は、基本的にJR東日本の駅やみどりの窓口ですが、実は、それ以外にもりんかい線(東京臨海高速鉄道株式会社)ではりんかいSuica、東京モノレール(東京モノレール株式会社)ではモノレールSuicaも販売されています。
また、地方のバス会社とSuicaが連携した地域連携ICカードも販売されています。これは青森県、岩手県、秋田県、山形県、群馬県と広範囲のバス会社が参入しているのが特徴となっています。
もちろん、地域連携ICカードは通常のSuicaと同じように利用できるため、Suicaの販売チャネルは以前よりも増えていますが、それでも、Suicaは基本的にJR東日本の駅でしか買えないのです。
これに対し、PASMOは東京メトロなどの地下鉄、京王線、小田急線、京急などの首都圏の私鉄、主要バス会社など、数多くのチャネルで販売されています。そのため、都心に住んでいる人なら、PASMOのほうが購入しやすいでしょう。
もっとも、現在ではカード式SuicaやPASMOを購入しなくても、スマホでモバイルSuicaやモバイルPASMOが利用できるので、さほど大きなメリットとまでは言えませんが……。
PASMOは私鉄各社のおトクなきっぷが利用可能!
PASMOは、私鉄やバス会社が多数加盟しているため、私鉄各社のおトクなきっぷをPASMOに追加することができます。
たとえば、都営地下鉄の「都営まるごときっぷ」や東京メトロの「東京メトロ24時間券」、京急電鉄の「京急全線1日フリーパス」、京王線の「京王線・井の頭線一日乗車券」などが、カード型PASMOに搭載できるんですね。
これに対し、Suicaは基本的にJR東日本が提供しているおトクなきっぷにしか対応していないため、このようなきっぷは圧倒的にPASMOのほうが種類が多いのです。
もちろん、Suicaにも東京メトロや都営地下鉄、日暮里舎人ライナー、都電荒川線(東京さくらトラム)、都営バスが乗り放題になる「東京フリーきっぷ(一日乗車券)」などもありますので、ぜひ有効活用したいですね。
まとめ
いかがでしょうか? 今回は首都圏で利用されている交通系ICカード「Suica」と「PASMO」のメリットとデメリットを紹介しました。
Suicaは日本初の交通系ICカードで、もっとも普及していているだけあって、ビューカードとの連携でJRE POINTがたくさん貯まるなど、利便性が非常に高いのが特徴です。
後発のPASMOも、発行枚数はSuicaの半分ほどですが、首都圏の大手私鉄が参入しているので、各路線ごとのサービスが充実しています。
もちろん、最寄り駅によってどちらを利用するかが決まってしまうとは思いますが、あなたはSuicaとPASMOどちら派ですか?