すり替え詐欺が物議を醸しているフリマアプリ「メルカリ」。詐欺の横行を受け、メルカリ側は2024年11月25日に利用者へのサポート体制や補償の強化を発表しましたが、利用に不安を抱いている人も少なくないでしょう。
そこで本記事では、メルカリ利用時に注意すべき項目について、出品側・購入側それぞれでご紹介します。
メルカリの利用には「自衛策」が必要?
フリマアプリのすり替え詐欺とは、購入者が出品者へ商品を返品する際に、元の商品よりも価値の低い偽物を返送して、商品をだまし取る手口です。例えば、フリマアプリでスマホを出品したところ、水の入ったペットボトルが返品されるといった流れです。購入者は商品にクレームをつけて返品を要求し、出品者が返品に応じるとすり替えられた偽物が返品され、商品代金を受け取ることもできません。
こうしたすり替え詐欺がフリマアプリで横行していることは事実であり、商品の出品時に「中身」の写真や動画を細かく撮影したり、製品の保証書やシリアルナンバーを控えるといった自衛策が出品側にも求められるでしょう。
対策として、楽天ラクマ(旧フリル)では、シリアルナンバーが記載された「すり替え防止用のタグ」を出品物に取り付けることを推奨する例も見られます。
(出典:楽天ラクマ公式サイト)
出品者はすり替え防止タグを購入し、出品時に商品にタグをつけた状態の写真を掲載、商品が購入されるとタグをつけた状態で発送します。購入者は、万が一商品に不備があった場合、タグをつけたまま「ラクマ最強鑑定」に鑑定を依頼します。このようにラクマ最強鑑定がタグを突合して商品のすり替えを防止する仕組みです。
こうした「タグ」などを活用した自衛策が必要なレベルで、すり替え詐欺の危険性は高まっているのが現状でしょう。
いまメルカリを使う際、出品・購入で注意すべき項目6選
先に「タグ」を利用した自衛策について述べましたが、トラブルが問題になっているメルカリをいま利用するときに注意すべき項目は他にもあります。「購入時」「出品時」の注意点についてご紹介します。
【購入時】価格設定は異様に安価ではないか?
新品未使用の人気商品やブランド商品が、低価格で出品されている場合、それはコピー商品(偽物)である可能性がないか疑いましょう。
例えば、新品で購入すると10万円はするブランドバッグが2万円ほどであったり、数十万円する時計が数万円で販売されているなど、極端に安い場合は危険です。
SNSでは実際に、メルカリで2万円で販売されていたウイスキー『山崎12年』が偽物だったという事例が報告されています。
・自分が出品者だったら本物の商品をそこまで値下げして売る理由は何か
・安い商品を売ることで、その商品に釣られる層の氏名や住所など個人情報を集めることが目的ではないか
など疑うべき点は様々なものがあります。出品者の立場になって考えてみましょう。
【購入時】実は「箱のみ」などの出品ではないか?
商品の購入時、実は「箱のみ」などの出品ではないか、部品やパーツのみの販売ではないかも注意して確認する必要があります。
例えば、人気ブランドの時計をメルカリで購入したところ、実際に届いたのは時計ではなく時計の化粧箱のみだったといったケース。商品ページでは、あたかも時計を販売しているように見える写真や価格帯を設定し、商品説明文の最後にこっそりと「箱のみ」と記載している出品ページは確かに存在します。こういった詐欺まがいの商品に惑わされないよう、しっかりと商品情報を確認することが大切です。
【購入時】商品発送時には必ず「追跡番号」を教えてもらおう!
メルカリには商品の発送が完了した段階で、出品者がアプリを通じて発送完了通知を送るというルールがあります。これは商品を発送したことを伝える役割と、商品の受け取り後に取引の評価、入金を行うためのステップとなっています。また、万が一購入者が商品の受け取り後に評価をしない場合の対策として「発送通知から9日後の13時以降に自動で取引が完了する」という仕組みになっています。
この仕組みを悪用して、実際には商品を発送していないにも関わらず、商品の発送通知を送り、自動で取引が完了するのを待つという使い方をする人がいます。こういった悪質な詐欺から身を守るため、出品者から「追跡番号」を教えてもらうこと、追跡番号を教えてもらえなかったり、番号が無効だったりした場合にはメルカリの事務局に問い合わせをするようにしましょう。
【購入時】受け取り通知要求詐欺ではないか要注意
メルカリでは、商品受け取り後の評価をもって売上が入金される仕組みとなっています。そして一度評価をしてしまうと評価の取り下げや返金が難しくなります。この仕組みを利用した悪質なユーザーが、商品が手元に届く前に、受け取り評価を先に要求してくる場合があります。前述の通り、一度取引を完了させてしまうと取り消しが難しいため、取引の評価は到着した商品に問題がないことを確認してから完了させるようにしましょう。
【出品時】「すり替え詐欺」への対策をしてから出品しよう
冒頭でも述べた通り、フリマアプリでは「すり替え詐欺」が横行しています。そのため商品の出品時に「中身」の写真や動画を細かく撮影したり、製品の保証書やシリアルナンバーを控えるといった対策を行いましょう。
【出品時】返品を要求された際の対応方法もシミュレーションしておこう
メルカリでは購入者からの返品に応じないことは規約違反であり、そのまま放置しておくと最悪アカウント削除となる場合もあります。つまり返品要求があった場合には、こちらに落ち度がない場合でも何かしらの対応をしなければいけません。困った場合には、事務局に救済措置についての相談を申し出ましょう。ただし事務局に相談してもすべてのケースで救済措置が適用されるとは限りません。そのため、不安がある場合は、「そもそも出品しない」あるいは「低価格のものだけ出品する」のも一案です。
※サムネイル画像(Image:MacroEcon / Shutterstock.com)