何かをしている最中に、スマホを操作する「ながらスマホ」。行儀が悪い、危ないとわかっていても、つい癖でスマホをいじってしまう人も、少なくないだろう。ながらスマホとSNSの相関関係について調べたモバイル社会研究所が、「LINEの利用頻度が高い人ほど、ながらスマホを行っている割合が高い傾向にある」という調査結果を発表した。詳しい内容をみてみよう。
LINEを1日3回以上利用している人は、半数以上が「ながらスマホ」を行う傾向
アンケートは2024年1月にインターネット調査で実施され、15歳~79歳の携帯電話所有者かつLINE利用者5350人から回答が得られた。LINE利用とながらスマホ(食事中、歩行中、人ごみの中)について項目別に調査したところ、最もながらスマホ率が高かったのは「1日10回以上」の利用者で6割以上、次いで「1日3~9回以上」が半数以上という結果に。一方、「1日1回未満」の利用者は、ながらスマホ率が4割未満にとどまった。この結果から、LINEを利用している人ほど、ながらスマホを行う傾向が高いことが明らかになった。
頻繁にLINEを使う人は、メッセージの確認や返信などを行うため、こまめにスマホをチェックする癖が身についているのだろう。その習慣が、ながらスマホを増やしてしまう要因なのかもしれない。
LINEの利用頻度が高いほど、30~70代のながらスマホ率に影響
次にLINEの利用頻度とながらスマホの利用率(食事中・人ごみ)に関する年代比較を行った。すると、おおむねどの年代でも、LINEの利用頻度が高い人ほど、ながらスマホをしている割合が高かった。年代別でみると、10代・20代が特に多く、どの項目も6割以上がながらスマホをしていた。
特に危険性の高い、人ごみの中での利用率に注目してみよう。ながらスマホ率が最も高かったのは、1日10回以上利用する10代の利用者(72.8%)だった。ただ10代の場合、1日1回未満の利用者でも68.1%がながらスマホをしていたことから、利用頻度に関係なく、人ごみでながらスマホをする人が多い年代といえそうだ。
一方、30代~70代は、「1日10回以上」のながらスマホ率が、「1日1回未満」と比較すると、15~20%ほど高かった。壮年期の世代は、LINEの利用頻度によって、ながらスマホ率に明らかな差が生まれる結果となった。
歩きスマホや人ごみの中でのながらスマホは、視野が狭くなり、思わぬ怪我や事故につながる危険性がある。実際、歩きスマホが原因で事故に遭ったケースも少なくなく、東京消防庁の発表によると、令和元年から令和5年(※1)までの過去5年間で、158人が緊急搬送されたという。
危険な歩きスマホの抑止につながるなら、LINEをチェックする回数を減らしてみてもいいのかもしれない。
(※1 令和5年の数値は速報値)
※サムネイル画像(Image:「photoAC」より)