マイナンバーカード取得で25%還元される「マイナポイント」ってなに?

「キャッシュレス・ポイント還元事業」を利用して、毎日PayPayや楽天Payなどでポイント還元を受けている人もいるだろう。だが、この制度は2020年6月末まで。そのあとは、マイナンバーカードを利用した25%還元の「マイナポイント」制度が始まるのをご存じだろうか? 今回は、2020年9月スタート予定の「マイナポイント」について解説する。

普及率14.3%のマイナンバーカード所有者限定の「マイナポイント」とは

(Image:mynumbercard.point.soumu.go.jp)

 2019年10月から消費税率が10%に引き上げられたタイミングで、クレカやQRコードなどによるキャッシュレス決済で、2%か5%か還元される「キャッシュレス・ポイント還元事業」が実施されたのはご存じだろう。そのおかげで、キャッシュレス化が遅れていた日本でも急速に「OOPay」と呼ばれるQRコード決済が普及してきた。だが、これは2020年6月末までの期間限定で、そのあとの景気対策として政府が考えたのが、「マイナンバーカード」を利用した「マイナポイント」という制度である。詳細についてはいまだ不明だが、今回はこの「マイナポイント」について分かっていることを解説しよう。
 まず現状「マイナポイント」で決まっていることは、25%還元を受けられるのは「マインバーカード所有者」で、なおかつ「マイキーID」を作成している者に限定されること。つまり、マイナンバーカードを持っていないと、「マイナポイント」の25%還元は受けられないのである。すでに、国民全員にマイナンバーの「通知カード」は郵送されているが、「マイナンバーカード」はこれとは別物。自分で申請しないと取得できない顔写真付きの身分証明証だ。実は「マイナンバーカード」の交付枚数は、2019年11月1日時点で約1,823万枚。全国民のたった14.3%しか取得していないのである。

■マイナポイントの詳細
(1)ポイント還元は25%で、ポイントの上限は1人最大5,000pt
(2)実施期間は2020年9月~2021年3月末の予定
(3)ポイント還元を受けるにはキャッシュレス決済が必須

■マイナポイント25%還元を受けるには?
(1)マイナンバーカードを所有
(2)マイキーIDの作成
(3)キャッシュレス決済方法(SuicaやOOPayなど)

(Image:soumu.go.jp)

左が国民全員に郵送されている「通知カード」。これは紙製で個人番号が記載されているだけ。右がプラスチック製でICカードが載っている「マイナンバーカード」。身分証明書としても使えるが、これは自分で申請しないと取得できない

「マイナポイント」で25%還元を受けるには「マイキーID」も必要になる。この「マイキーID」を作成するには、パソコンの場合はICカードリーダーが必要になるため、パソコンとスキルがないと難しい。また、スマホのアプリも2019年12月の段階ではiPhoneアプリはなくAndroidアプリしか対応していないのだ。そして、「マイナンバーカード」を取得するときは、最低でも2種類の暗証番号を設定する必要があるが、当然、マイナンバーに紐付く「マイキーID」作成時も、この暗証番号が必要である。いずれにせよ「マイナポイント」でポイント還元を受けるのは、なかなか面倒くさそうだ。
 もちろん、「マイナポイント」では何らかのキャッシュレス決済手段も必要になる。これは、現状でも利用されている「ICカード(Suicaなど)」や「OOPay」での支払いが対象になる。たとえば、ICカードにチャージするか、申し込みを行ったQRコードアプリによる決済でプレミアムポイントがもらえることを想定しているのだ。
 なお、「マイナポイント」の還元率は25%だが、もらえるポイントの上限は1人最大5,000pt。実施期間は2020年9月~2021年3月末までの予定である。果たして、「マイナポイント」で政府が目論むマイナンバーカードの普及が進むのであろうか? 今後の動向に注目したい。

(Image:mynumbercard.point.soumu.go.jp)

マイナポイントで想定される利用イメージには、事前に登録したICカード(Suicaなど)にチャージすることで25%のプレミアムポイントが付与されるというもの

(Image:mynumbercard.point.soumu.go.jp)

もうひとつの利用イメージは、QRコード決済アプリで買い物をした場合に、プレミアムポイントが付与されることが想定されている。こちらは現状の制度に近い感じだ

●総務省「マイナポイント」(公式)は→こちら
●マイナンバーカード総合サイト(公式)は→こちら

文=塚本康裕/フリーライター

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