コミケ(コミックマーケット)を運営するコミックマーケット準備会は、2020年5月2日~5日の4日間、東京ビッグサイトで開催する予定だったコミケ(C98)を、新型コロナウイルス拡大防止の観点から中止すると発表した。コミケといえば、75万人を集める世界最大級の同人イベントだが、ついに史上初の中止に追い込まれることになったのである。
どうしてコミケが中止に追い込まれたのか?
世界最大級の同人イベント「コミックマーケット(コミケ/コミケット)」は、近年、夏と冬の年2回開催されており、2019年12月開催のC97は4日間で75万人が参加していた。しかし、世界的な新型コロナウイルス蔓延の影響で2020東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京オリンピック)の延期が発表されたこともあり、2020年3月27日、コミックマーケット準備会は2020年5月のコミケ(C98)を中止することを決定したのだ。これはコミケ45年の歴史上初めてのことである。
そもそもコミケ中止の遠因は、東京オリンピックのメディアセンターとして東京ビッグサイトが使われることにある。東京オリンピックの開催で、東京ビッグサイトが2020年5月~11月までの7カ月間は全館使用できないため、2020年8月の夏コミ(C98)の開催も危ぶまれていたのだ。しかし、一転して5月のゴールデンウィークに開催されることになったのだが、結局はそれが仇となり、新型コロナウイルスの影響でコミケは中止に追い込まれた。
なお、リストバンド型参加証とDVD-ROMカタログの発売は中止されるが、4月11日発売予定のコミケカタログはそのまま発売される。
東京オリンピック延期でイベント関連業界は壊滅!?
C98が中止になったのは、新型コロナウイルスの影響を考えればやむを得ないと思うが、実はこれで話は終わらない。今後、東京オリンピックの延期がどうなるかによって、2020年12月開催予定のC99、2021年8月開催予定のC100も影響を受ける可能性がある。もし、東京オリンピックが1年先の2021年夏開催となれば、東京ビッグサイトが2021年5月~11月の間、再び全館使用できなくなるのだ。これではコミケどころか、ほかのイベントもすべて1年間開催できないわけで、すでに新型コロナウイルスの影響で疲弊しているイベント関連業者は、壊滅的な被害を被ることになるだろう。
それにしても、本当に東京オリンピックのメディアセンターに東京ビッグサイトを使用する必要があるのだろうか? この際、メディアセンターのほうを仮設の青海展示棟に移してしまえば、すべてが丸く収まると思うのだが、いかがだろうか?
東展示棟がメディアセンターの工事で長期間閉鎖されるため、急遽建設された東京ビッグサイトの青海展示棟。仮設なので、東京オリンピック終了後は解体される予定だ
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