JRの車両の胴体部分に表示されている「キハ」や「モハ」などの車両番号。何かの意味がありそうだけど、鉄道オタクでもない限りあまり気にする人はいないだろう。だが、車両番号には意外と深い意味があるのだ。そこで今回は、知ればちょっとためになるJRの車両番号の秘密を解説しよう。
「キ」は気動車「モ」はモーター車の意味
通勤や出張などで、普段からJRの電車を利用している人は多いだろう。そのJRの車体には「キハ」とか「モハ」といった車両番号が表示されているが、これはいったい何を意味しているのだろうか?
まず、最初の文字は車両の動力の違いを表している。「キ」は気動車(主にディーゼル車)、「モ」はモーター車という意味である。東京ではあまりディーゼル車を見ることはないので、ほとんどの車両は「モ」になっているはずだ。これ以外にも運転台が付いている車両には「ク」、動力が何も乗っていない車両には「サ」が付いている。
その次の文字は車両の等級を表している。イ・ロ・ハで等級が分かれており、旧国鉄時代は「イ」が1等車、「ロ」が2等車、「ハ」が3等車であった。JRになってから一般車両は「ハ」で統一され、「ロ」はグリーン車に変更されている。とくに「イ」は、特別な車両にしか付いていないので、もし見かけたらそれはかなりレアな車両である。
「ネ」「シ」「テ」などはかなりレアもの!
車両番号はほかにもたくさんある。なかには特定の車両のみに付いているレアものもあるのだ。その代表例が「ネ」だ。「ネ」は寝台車を意味する番号で、現在では定期運行されている唯一の寝台特急サンライズ出雲・瀬戸くらいにしか使われていない。
また、観光列車の最高峰とも言われるTWILIGHT EXPRESS 瑞風では「キイテ」という車両番号が使われている。「キ」は気動車、「イ」は特別な1等車両、「テ」は展望車という意味になる。さらに、TWILIGHT EXPRESS 瑞風には食堂車を表す「シ」も記載されているので、実はレア車両番号の塊なのだ。
なお、第三セクターやJR以外の私鉄では独自の車両番号が書かれていることが多い。たとえば、青森と八戸を結ぶ青い森鉄道では、そのまま「青い森」と記載されていてビックリする。今後、列車の乗るときは、車体番号に注目することで、旅がもっと楽しくなるかもしれない。