2020年3月14日、山手線に49年ぶりとなる新駅「高輪ゲートウェイ」がオープンした。新型コロナウイルス騒動がなければ、もっと大々的に報道されていたと思うが、鉄道ファンには見逃せないビッグニュースであろう。この新駅にはJRが新たに挑戦している取り組みがいろいろ垣間見えて面白い。そこで今回は、高輪ゲートウェイ駅の見どころを6つ紹介しよう!
駅舎デザインは新国立競技場の隈研吾氏って知ってた?
「西日暮里」駅以来実に49年ぶり、30番目となる山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」が2020年3月14日にオープンした。高輪ゲートウェイ駅は品川駅と田町駅の中間に位置するが、もともと、ここは東京総合車両センター田町センターがあった場所。だが、大幅な設備の見直しなどによって新駅の用地を確保し、ようやくお披露目となったのである。
ただし、高輪ゲートウェイ駅はまだ暫定的なオープンとなっている。実は2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせてオープンさせたため、現在、駅のゲートは1カ所のみ。2024年には全面稼働される予定で、そのときはゲートが2カ所となる予定だ。
最新の高輪ゲートウェイ駅は、鉄道ファンでなくても見どころが満載! まずは駅舎のデザインだ。この駅舎のデザインは、新国立競技場や渋谷駅の新駅舎デザインなどで有名な建築家・隈研吾氏のデザイン。折り紙をイメージした大屋根でなめらかな曲線が印象的なので、まずは駅を出て少し離れたところから駅舎全体の佇まいを楽しみたい。次に、駅のコンコースからは車両センターが見渡せる。ベンチに座ってゆっくりとさまざまな車両を楽しめるのも魅力的だ。
寺社仏閣のように中心が盛り上がり幅広なデザインは、なかなかの迫力(上写真)。駅構内は3階から線路が見える吹き抜け構造になっており、天井は太陽光を透過して熱を逃がす特殊な膜構造となっている(下写真)
駅のコンコースからは車両センターが見渡せる。ズラッと並ぶ車両が大迫力だ。近くにはベンチがあって列車好きなら何時間でも見ていられる
無人キオスクやQR対応自動改札などの新設備も!
高輪ゲートウェイ駅は、さまざまなサービスを試験的に行う駅として位置づけられており、JRご自慢の最新設備が備えられているのが見どころ。
プラットホームからコンコースに上がると、まず目に留まるのが無人のキオスクだ。入口ゲートを通り、商品を選んで無人レジで会計できるようになっており、会計が終了すると出口のゲートが開くシステム。会計には交通系ICカードが必須だが、店内でチャージはできないので注意しよう。
自動改札を出ようとすると、また目新しい設備が目に付く。それがQRコードに対応した最新の自動改札である。ICカードのタッチ部分が斜めに設置されていて最初は戸惑うものの、慣れるとスッと撫でるように掲げるだけで反応してくれる。ただ、現在はQRコードを読み取る部分は塞がれているようだった。さらに、駅構内を巡回する警備ロボットやAI駅員による近隣施設の自動案内システムなども見どころのひとつ。もし、高輪ゲートウェイ駅に立ち寄る機会があれば、是非これらの最新設備を楽しんでもらいたい。
無人キオスクの店内撮影は禁止されていたため、外観のみの紹介。「TOUCH TO GO」という店名で、現在は設備解説のために店員さんがいる。営業時間は7時~21時までだ
こちらがQRコード対応の最新の自動改札機。未来的なフォルムでゾクゾクする。残念ながらQRコードを読み取る部分はフタがかぶせてあった。ICカードの残高が表示されるディスプレイも見やすい
駅構内を巡回するCSP(セントラル警備保障)の警備ロボット。写真を撮影し続け、迷惑行為などを報告する能力がある
AI駅員による近隣施設の日立製自動案内システム。声はもろ「ペッパーくん」で笑う。ディスプレイに映る3Dキャラクターによる案内もあり、本来は音声でも質問できるが、新型コロナウイルスの影響で受話器は使用不可だった。残念……
●高輪ゲートウェイ駅 駅情報は→こちら