今、自転車に乗っている人が増えていることをご存知でしょうか?新型コロナウイルスの影響で、外出自粛に伴い利用者が増加しているウーバーイーツの配達員や、公共交通機関の利用を避けたい人が自転車で通勤していることなどが理由として挙げられます。また、近年自転車シェアリングが普及してきたことも自転車ユーザーの増加に繋がっていると言えるでしょう。自動車の利用が減少することで、排気ガス・騒音の減少など環境面にもメリットがでてきます。
自転車の利用を推奨する動きもある一方で、比例するように増加している自転車事故は深刻な問題となっています。その為生まれたのが「自転車保険」です。自治体によっては加入が義務付けられていますが、あまり認知されていないように感じます。
そこで、知らないと大変!義務化もすすむ「自転車保険」についてご紹介していきます。
自転車保険とは? なぜ義務化されたの?
2015年に兵庫県で初めて自転車保険加入が条例で義務付けられました。自転車保険には①傷害保険(自転車に乗って事故を起こした際、自分のけが等に対しての補償)と、②損害賠償責任保険(事故に相手がいた場合、相手の被害を賠償するもの)の二つがあります。
自治体が義務化をすすめているのは後者の②損害賠償責任保険のことを指します。
実際の例として、小学生が起こした自転車事故では相手の方が後遺症も残る程の大けがをし、約9500万円の賠償を命じられました。未成年の場合は保護者が責任追及されるリスクがありますのでご注意ください。
どこの自治体が義務化しているの? 誰が対象になるの?
自転車保険の加入義務は自治体によって異なります。2020年4月に東京都・奈良県・愛媛県が新たに義務化しており、全国的に広がりつつあります。その他加入は努力義務としている自治体もありますが、義務が課せられるのはお住まいの地域ではなく、実際に自転車で走行する地域が対象となるのでご注意ください! レジャーや通勤通学で自転車を使用する方は、対象の地域を把握しておきましょう。
〈対象者〉
東京都の場合
都内で自転車を運転する人
自転車を利用する未成年の保護者
従業員が自転車を使用して業務を行う「自転車使用事業者」
自転車レンタルなどを行う「自転車貸付事業者」
義務化している都道府県(赤)
東京都、神奈川県、埼玉県、静岡県、長野県、滋賀県、大阪府、京都府、兵庫県、鹿児島県
義務化している市(ピンク)
名古屋市、仙台市、金沢市
努力義務の都道府県(黄色)
千葉県、茨城県、群馬県、北海道、富山県、和歌山県、鳥取県、徳島県、香川県、高知県、福岡県、熊本県
※山形県は2020年7月より義務化予定
山梨県、宮崎県は2020年10月に義務化予定
(2020年2月時点での情報を元に作成)
加入していないと罰則を受けるの?
自転車保険未加入だと罰則はあるのか、気になるところですよね。今のところ条例違反にあたりますが、罰金等の罰則はありません。しかし地域によっては条例違反の為、自転車による通勤通学が認められなくなる可能性が考えられます。
自転車の安全運転はもちろんのこと、万一の場合に備えて自転車保険の加入をおすすめします。補償内容も様々ですが、1000円以下の少額から加入できる自動車保険もありますので、この機会に検討してみてはどうでしょうか?
参考元:全国で進む自転車保険の義務化! 条例の内容や保険選びのポイントなど解説【TIME&SPACE】