緊急事態宣言が解除され、県境をまたいでの移動も自粛緩和となった。テレビでは、観光地に徐々に客足が戻ってきているというニュースが流れている。マスクや消毒剤が店頭から消え街からも人が消えた光景が、つい最近のことだと信じ難いほどだ。
日本では一日当たりの感染者が減少しているとはいえ、新型コロナウイルスは今も存在している。世界的にみると6月18日には一日当たり15万人以上の新規感染者が確認され、過去最多となった。WHOは「パンデミック(世界的大流行)は加速している」と述べるなど、まだまだ予断は許さない状況である。
そんな新型コロナウイルスに後遺症があるのでは、とささやかれている。感染も怖いウイルスだが、治ったと言われるその後も後遺症があるとなるとさらに厄介だ。
新型コロナウイルスの後遺症はサイトカインストーム?
感染者の割合でみると、重症化するのは約2割で残り8割は軽症や無症状であると言われている。多くの人々は軽症もしくは無症状で済み、回復者が増加していることは喜ばしい傾向だが、恐るべきことも明らかになりつつある。回復した人から様々な後遺症が見つかる事例が世界中で報告されているのだ。
ずっと熱が続く、息苦しさが1ヶ月ほど続くなどの症状があるにもかかわらず病院に行っても「異常なし」との診断に。これはコロナウイルスに感染した後に生じたサイトカインストーム(過剰な免疫現象)が何らかの理由で続いているのではと推測される。
サイトカインとは
サイトカインとは、細胞から出るたんぱく質であり、他の細胞に命令を伝達する物質である。身体に異常が出たときに分泌し、異常が起きていることを知らせ、身体を守っているのだ。サイトカインが血液中に分泌されると、頭痛・発熱・倦怠感・凝固異常等が起こる。
サイトカインストームとは
感染量が増える→炎症量も増える→サイトカインが大量に放出される。
この構図をサイトカインストーム(免疫暴走)と呼ぶ。
新型コロナウイルス回復者や、SARS(同じコロナウイルス感染症)などのデータを調べた結果、新型コロナウイルスは肺にかなりのダメージを与える可能性があることがわかった。少なくとも半年ほどは肺にリスクのある状態が続く恐れがあると言う。
さらに驚きなのは、「無症状患者」にも後遺症の可能性が指摘されていることだ。回復者、無症状患者だった人々から報告されているのは下記の通りである。
・息切れ
・息苦しさ
・微熱
・倦怠感
・頭痛
・胸の痛み
また、3月に感染が大きなニュースとなった英国のチャールズ皇太子も後遺症を訴えている。味覚と嗅覚が未だに回復していないとのことだ。未知のウイルスは、感染した時だけではなく完治したその後も人類を苦しめている。
新型コロナウイルスの症状の現れ方は様々ではあるが、少なくともワクチンが生き渡るまでは決して安心できない。人の行き来が活発となった日本でも、油断することなく密を避ける・手洗いうがい・消毒などの対応をしていこう。
参照元:コロナ感染の後遺症?【新中野耳鼻咽喉科クリニック】
参照元:新型コロナウイルス感染とサイトカインストームと血栓症の関係について【大宮エヴァグリーンクリニック】
参照元:新型コロナ、重篤な後遺症の報告多数 一生苦しむ恐れも【NEWSポストセブン】
参照元:チャールズ皇太子 味覚と嗅覚回復し切らず 新型コロナウイルスの後遺症を告白【Hint-Pot】