まさかのスペルミス?! Google・ユニクロ・ローソン・TOTOなど意外な理由で決まった社名だった!

Google・ユニクロ・ローソン・TOTO……誰もが知っている世界的大企業たち。だが、その社名の由来は意外と知られていない。たとえば、アナタはあの「Google」の社名が、うっかりミスで今のGoogleになってしまったという話をご存じだろうか? そこで今回は、有名企業の社名の由来を解説しよう。

Googleは本当はGoogol(グーゴル)だった!?

 世界的な大企業の社名は、どのように付けられたものだろう? たとえば、誰もが毎日利用しているインターネット検索エンジンの「Google(グーグル)」は、元々“Googol(グーゴル)”になるはずだったのをご存じだろうか? Googolとは、10の100乗(1のあとに0が100個つく)=この世に存在する最大数の単位のことで、「膨大な数の情報から探したいものを見つけられるように」という意味を込めて検索エンジンのドメイン名に決めた。ところが、1997年にドメインを登録するときに、うっかりスペルを間違えて「Google」になってしまったと言われているのだ。
 今ではすっかり慣れ親しんだ「Google」だが、もし、このスペルミスがなく「Googol」で登録されていたら、今頃、ネットで検索することを「ググる」ではなく「グゴる」なんて言っていたかもしれない……。

(Image:Benny Marty / Shutterstock.com)

数多くある情報から探したいものを見つける……。スペルが違っていても、Googleはその社名通りに世界最強の検索エンジンである

UNIQLO(ユニクロ)も本当は「UNICLO」だった!?

 今や全世界に2,000店舗以上を展開する世界的企業に成長した「ユニクロ」。その英字の綴りは「UNIQLO」と書くのは皆さんご存じだろう。ユニクロの公式サイトによるとユニクロとは「Unique Clothing Warehouse」を略したもの。ユニーク(独自の)・クロージング(衣類)・ウェアハウス(倉庫)という意味で、“ほかでは買うことのできない良いカジュアルファッションを、お客様が自由に選び買うことができるブランド”という意味で名付けられたという。しかし、よく考えてみれば「Unique Clothing Warehouse」の略なら「UNI-CLO」になるのではという疑問が湧く……。
 実は、1988年に香港でユニクロの現地法人を設立した際、「UNI-CLO」の「C」を「Q」と間違えて「UNI-QLO」で登記してしまったらしい。しかし、柳井社長は「こっちのほうがカッコいい」と気に入ってしまったため、そのまま商標として採用されることになったのだとか。いずれにせよ、現在のロゴがカッコいいのは間違いないだろう。

(Image:sylv1rob1 / Shutterstock.com)

現在のロゴマークは2006年に佐藤可士和氏がデザインしたもの。やっぱり「C」より「Q」のほうがロゴとしてもしっくりくる

 日本では店舗数第3位を誇るコンビニエンスストアーの「ローソン(LAWSON)」。よく見るとロゴマークにミルク瓶が描かれているが、これにはいったいどう意味があるのだろうか? 知らない人も多いと思うが、そもそもローソンは日本で誕生したコンビニではない。1939年に米国オハイオ州のJ.J.ローソン氏が開いた牛乳販売店「ローソンミルク社(Lawson’s)」がその原点なのである。ローソンミルク社は、その後日用品も販売するチェーン店に成長し、日本には1974年に上陸している。そのため、ローソンのロゴには、今でもミルク缶が描かれているというわけだ。

(Image:Ned Snowman / Shutterstock.com)

ローソンの看板に描かれているミルク缶は、元々J.J.ローソン氏が米国で牛乳販売店を営んでいた名残である

有名バンドがパクった?「TOTO」の社名の由来とは……

 日本のトイレや洗面器などの衛生陶器で約6割のシェアを誇る「TOTO(トートー)」。温水洗浄便座「ウォシュレット」は、誰もが毎日お世話になっていることだろう。この「ウォシュレット」はTOTOの登録商標だが、他社製品もひっくるめてウォシュレットと呼ばれるほどの定番製品になっている。

 実は「TOTO」の歴史は古く、1904年に創業された日本陶器合名会社(現:ノリタケ)の製陶研究所が、1917年に「東洋陶器」として独立したもので、衛生陶器だけでなく食器などの製造も行っていた。1969年には会社の商標(ロゴ)をお馴染みの「TOTO」としたが、このころには水栓金具・浴槽・洗面化粧台など、水回り機器全般を扱う会社になっていたため、翌1970年には会社名を「東陶機器(とうとうきき)」に変更。そして、創立90周年を迎えた2007年には海外事業展開も進んできたため、社名そのものも「TOTO」に変更されたのだ。つまり、「TOTO」の社名の由来は創業時の社名「東洋陶器(ToyoToki)」の略なのである。

 ちなみに、米国の人気ロックバンド「TOTO(トト)」は、日本で見たトイレの「TOTO」が気に入ってバンド名にしたという逸話も存在するが、これは日本の雑誌のインタビューで語ったリップサービスだとする説が有力である。

(Image:testing / Shutterstock.com)

日本に訪れた外国人観光客が、非常に日本的なモノとして感激するのが、TOTOのウォシュレットだという

(※2020/09/19 記事の一部を訂正いたしました)

文=中川久/フリーライター

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