世界最大の同人イベント「コミックマーケット」(以下コミケ)。残念ながら2020年の冬コミ(C99)は、コロナ禍の影響で延期されることが決まったのは皆さんご存じだろう。実際、2019年12月の冬コミ(C97)では4日間で75万人もの人が参加したのだから、これはやむを得ない措置であったと思う。そこで今回は、2021年5月に開催予定のコミケ(C99)に向けてコミケ用語の基礎を勉強しておこう!
超基本! コミケでよく聞く「壁サークル」って何?
1975年にスタートしたコミケは2020年で45周年を迎える。この長い歴史のなかで、コミケではたくさんの専門用語や独自ルールが生まれてきた。初心者はこの専門用語や独自ルールがよく分からず、会場内でオロオロしてしまいがちなので、次回のコミケ(C99)に行く前にしっかりと勉強しておこう。
まず、最初に紹介するコミケ用語は超基本の「壁サークル」。「壁サークル」とは同人誌即売会において会場の“壁際に配置されるサークル”のことを言う。壁際に配置されるのは、長蛇の列が予想されている有名な超大手同人サークルばかりだが、その理由は“行列が他のサークルの邪魔になりにくい”から。もちろん、壁際なら数千冊もの同人誌在庫を置くスペースも確保できる。
ちなみに、同人誌の頒布数がもっと多いサークルは、会場の外に列を形成することになるが、このようなサークルは特別に「外周」と呼ばれているんだとか……。コミケでは早朝から大勢の人が並ぶが、その多くがこうした「壁サークル」の同人誌目当てなのである。
「島」の配置場所で人気サークルか判断できる?!
コミケに参加するサークルには専用スペースとして机とイスが与えられるが、基本的に同じジャンルのサークルはまとめて配置されている。このかたまりを「島」と呼ぶ。一般的なサークルは「島中」と呼ばれる通路側に置かれることが多いが、同じ島でもやや人気があるサークルは島の両端にある「誕生日席」に配置されることが多い。「誕生日席」は、まるで誕生日会で主役が座る場所のように見えるため、このように呼ばれるようになったという。つまり、同じ島でも配置場所によって人気の度合いがある程度は分かるようになっているのだ。
ただし、ジャンルによっては初参加サークルが、いきなり誕生日席に配置されることもあるので、必ずしも「誕生日席=人気サークル」ではない点は注意したい。
オタク系イベントでよく聞く「カメコ」とは?
コミケに限らずオタク系のイベントでは、よく「カメコ」という言葉を耳にする。「カメコ」は、今では“コスプレイヤーを撮影しているアマチュアカメラマン”のことを指す用語として定着しているが、元々は単に“写真を撮る年少者”を差す言葉であった。
しかし、やがてイベントでコンパニオンやキャンペーンガールなど、露出度の高い女性を撮影しているカメラ愛好家のことを指すように変化していき、現在ではコスプレ撮影をするカメラマンの呼称となったのである。なお、「カメコ」はアマチュアのカメラマンだが、かなり高価な機材や専門的な知識を持っており、撮影技術もプロ顔負けの人も多かったりするそうだ。
コミケでよく聞くキーワード「最後尾」って何?
コミケでは、サークルが頒布している同人誌や企業ブースの限定商品などを購入することを主目的としている参加者が非常に多い。当然、人気サークルや人気企業ブースであれば、同人誌や限定商品を手に入れるために長時間並んで購入することになる。待機列の最後にいる人は「最後尾」と言われ、最後尾札を掲げるのがルールとなっている。
最後尾札はさらに後ろに並んだ人たちにリレー方式で手渡されていき、行列が終わるか頒布が終了するまで手渡され続けていくのだ。ちなみに、これは会場外の待機列付近のトイレを待つ列でも行われることがあるので、初心者は最後尾札をいきなり渡されても戸惑わないように対処したい。
いかがだろうか? 45年の歴史を誇るコミケでは初心者が知らない専門用語が多い。そのため、初心者のなかには恐る恐る参加する人も多いと聞く。だが、コミケは誰でも自由に参加できるオープンなイベントなので臆せず参加してみよう。
もちろん、事前にマナーやルール、用語を覚えておけば安心して参加できるし、周りに迷惑をかけることないだろう。もし、会場で何か分からないことがあれば、遠慮なくコミケスタッフに聞いてみるといい。なお、コミケの参加情報についてはコミケ専門誌『コミケPlus』に詳しく書かれている。2021年のコミケ参加に向けて、初心者はバックナンバーを読んでおくといいだろう。