右利きには理解してもらえない、キャッシュレス決済の左利きあるある!

 現在急速に普及が進み、世界中に様々な恩恵をもたらしているキャッシュレス決済。そのキャッシュレス化が、思わぬ層に影響を及ぼしていることはご存知だろうか。それは“左利き”の人々に与える行動の変化だ。
 今回は世の中の10%に相当すると言われているマイノリティたちの、ちょっとした「便利になった」「不便になった」面をご紹介していきたい。

世の中はどれも“右利き用”のデザインだ

よく見てみると漢字も、跳ね・払いなど左手では書きづらい形状をしている

 世の中の事柄の多くが、右利きにとって便利なようにデザインされていることはよく知られている。「左利き用はさみ」が存在するように、大半のはさみは右手で使うことを想定した形状となっており、扉のノブも右手で掴みやすい位置に設計されていることがほとんど。さらに“文字”も、右手で書く際によりスムーズになるかたちをしていると言われている。またスポーツの面で見ても、野球のバッティングセンターでは左打者用の打席は限られた数しか無く、腕相撲に至っては同じ側の手を握り合うため左利きも利き手でない右手で勝負をせねばならない場面が出てきてしまうのだ。

 そんな、日々デメリットと戦っている左利きだが、キャッシュレス決済が普及したことで何が変わっただろうか。
 「Suica」をはじめとするICカード決済の登場により、切符の利用頻度を大幅に下げたことはよく知られている。自動改札機は右手側に処理装置がついており、左利きにとっては慣れない右手で切符を入れる必要があった。慣れない手で「小さな切符を投入する」という行為が、「カードをかざすだけ」という作業に変わったことは大きな改善と言って差し支えないだろう。
 同様にICカード決済で買えるようになった自販機も、右手で硬貨を入れていた作業がカードをかざすだけで済むようになった。こちらも自動改札と同じく便利になったことに違いない。

(Image:Jingwen Yao / Shutterstock.com)

あなたも左手で手帳型ケースを開いて扱いづらさを感じてみてほしい

 銀行ATMの入力装置も、多くの場合右手側に設置されている。一部サービスではスマホのQRコードを読み込ませるだけでキャッシュカードの挿入や番号の入力が不要となり、右手の作業量の減少につながっていると言えるだろう。
 しかし一方で、キャッシュレス決済の普及により、スマホ操作の頻度が高くなったのは手帳型スマホケースを利用する人にとってはデメリットと言える。手帳型ケースは右手親指で開きやすい“左に開くタイプ”が主流。開く回数が増えたことで手間も増えてしまい、キャッシュレス決済が左利きに与える影響としては珍しくマイナス要素となっている。

 メリットもデメリットも日々のちょっとした差だけなのだが、小さな違いも何度も繰り返していると、はっきり認識するタイミングもあるだろう。世の中の90%を占める右利きだけでなく、10%のマイノリティも暮らしやすい未来をつくれるよう、新しい技術は左利きにも配慮したデザインとなってほしいと願う。

参照元:右利きには分からない、左利きが経験する不便なあるある話。【Capri】

オトナライフ編集部
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