あなたが持っている交通系ICカードは、いつごろから使っているものだろうか。筆者の「Suica」は高校生の頃から定期として利用しており、過去の定期区間がうっすら見えたり印字もかすれたりと、見るからに“年代モノ”なビジュアルだ。しかし実はSuicaをはじめとしたICカードは、キレイな印字を復活させられることをご存知だろうか。
今回は、ICカードの印字を復活させる方法や、印字の原理をご紹介したい。
使っているうちにかすれてしまうSuicaの印字
JR東日本がSuicaを導入して以来、交通系ICカードは「かざすだけでOKの便利な定期券」としての地位を確立している。関東の電車・バスにも乗れる「PASMO」や、関西の「ICOCA」など、現在では全国に“ご当地ICカード”が存在する。さらに近年はキャッシュレス決済の決済手段のひとつとしても広く認知され、関東エリアを中心に多くの人に利用されている。
しかしこれまで定期券としての利用が主だったICカードが、決済としての役目も持ったことで出番が増加。利用頻度が増えるとともに表面を見る回数も増え、かすれた文字が気になってしまっている人もいるのではないかと思う。
この文字のかすれは、SuicaなどICカードの印字方法によるものだ。これはカードの表面に専用の塗料が塗られた「ロイコ方式」と呼ばれるもので、熱を加えると消去・印字が行われる仕組みとなっている。しかし塗料の効果が弱まってきたり、印字作業で熱をうまく加えきれなかった場合に文字がかすれてしまうという。
必殺技は窓口での“再印字”
温度不足や塗料の成分が弱まってしまい文字がかすれた際には、「再印字」することでくっきりとした文字を取り戻すことができる。これは、機械がICカードを読み込むだけでなく、係員などが表面の文字を読んで対応することもありえるからだ。
やり方は簡単。定期券を発行している駅の有人窓口にICカードを持参して、再印字をお願いするだけでいい。普段、定期券の更新を自動券売機で行っている場合は印字する機械の性能や印字時の機械のコンディションに左右されるが、有人の場合はそうしたブレを廃して印字してもらえる。また塗料の劣化によって文字かすれが発生している場合には、ICカードの交換や再発行も行ってくれる。どのようなかすれの理由であっても、再印字・交換でクッキリ印字を果たしてくれるため、発行した頃のキレイな表面を取り戻したい人はぜひとも利用してみていただきたい。
ICカードはタッチするだけで処理が完了するため、印字をキレイにしても使い勝手には大きな違いは無い。しかし人の心としては、自分の持ち物は汚いよりもキレイなほうが嬉しいものだ。普段のキャッシュレス決済など何気ないタイミングの満足感をアップさせることで、日常の仕事にも気持ちよく取り組んでいってもらいたい。
参照元:SUICA等のICカードの印字が薄い・汚くなった時どうすればいいのか【Notissary】
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