新型コロナウイルス感染症の流行は思わぬところにまで影響を与えている。2020年2月~8月の歯科受診・歯科定期健診に関してリサーチしたところ「感染拡大中に受診・健診を控え、現在も実施していない」人が、「歯科受診」で19.8%、「歯科定期健診」で21.4%を記録。約5人に1人が歯科医院に行くことをためらっていたことが判明。多くの人が歯科医院に行く必要がありながら、新型コロナウイルスへの感染を危惧して通院を自粛していたようだ。
今回は新型コロナウイルスの流行時は、果たして歯科医院に行くことも自粛の必要があったかについて迫っていく。
半数以上が歯科通院を自粛のワケとは
一般社団法人日本私立歯科大学協会は、男女1,000人(10~70代)に対する、「歯科診療」および「歯科医師」に関する意識調査の結果を発表。「新型コロナウイルス感染が広がっていることで、あなたは、歯科受診や歯科定期健診を受けることについて、どのように感じていますか?」という質問に対して、61.7%が「歯科受診や健診を控えたい/できれば
控えたい」と回答。半数以上の人が通院を自粛するべきと考えていたことが分かった。
“通院自粛”をする人々の理由としては、最も多かったのが「口をあける必要があるため、感染リスクがあると思うため」(63.2%)、次いで「歯科医師や歯科衛生士と近い距離で治療や検査を受けるため、感染リスクがあると思うから」(54.0%)となり、歯科医院への通院は感染のリスクが高いと感じていたようだ。
しかし実際は、歯科医院で新型コロナウイルスの感染は起こっていない(2020年9月時点)と公式に発表されている。しかし調査対象者の1,000人の中でこの事実を把握していた人は、わずか26.2%しかいなかった。
通院の自粛以外にも、新型コロナウイルスの流行により手放せなくなった“あるもの”が、歯の健康に大きな影響を与えたことが分かった。
「マスクをするようになって、笑ったり、口を大きく動かすことが少なくなった」という質問に44.3%の人が、「マスクをするようになって、歯の健康や口臭を気にすることが減った」には25.4%もの人が、影響があったと回答。日常生活で必須となったマスクを着用することが、口内環境の悪化や、異変に気づきにくくなる弊害が生んでいるようだ。
もちろん不要不急の外出は自粛するべきだが、少なくとも今回の新型コロナウイルスは歯科医での感染のリスクは低いとされている。また感染予防のための新しい生活様式が、口内環境には、悪影響な面も生み出している。歯は健康な生活に必要不可欠である、この機会に足が遠のいていた歯科医院に一度行ってみてはいかがだろうか。
参照元:11月8日はいい歯の日!全国の10~70代の男女1,000人に聞く「歯科診療」および「歯科医師」に関する第5回意識調査(PDF)【一般社団法人日本私立歯科大学協会】