あなたは夜、自宅に帰ったあとその日の出来事を知るために、テレビを見ることはあるだろうか。22時以降は各局ともニュース番組をメインに構成していることはみなさんもご存知だろう。その中で、各局が放送している夜のニュース番組の満足度調査が行われた。
今回は、満足度調査からわかった、視聴者の多い番組・少ない番組や視聴者のニーズに応えた満足感のある構成ができている番組などをお伝えしていきたい。
よく見られているニュース番組は『報道ステーション』!
今回調査の対象となったのは、地上波各局で22~0時頃に放送されている、いわゆる“夜のニュース番組”と呼ばれる番組。その中でも「直近3ヶ月以内に見たことがある」と答えた回答者が最も多かったのは『報道ステーション』(テレビ朝日系)だった。48.0%の人が「見たことがある」と答え、ほぼ2人に一人が視聴していたことが明らかとなった。さらに35.3%の2位には有働由美子や「嵐」の櫻井翔など名物キャスターを起用している『news zero』(日本テレビ系)が入り、その注目度の高さを実証した。
ビジネスパーソンの支持の厚い『WBS』!一方で支持層が不鮮明なのは…
前述はあくまで「見たことがある」という人の数。そこから「わかりやすさ」「キャスター」「コーナー・企画」「総合的な満足度」という4項目で視聴者の満足度を測ると状況は一変する。視聴者数では13.2%と6番組中5位だった『WBS(ワールドビジネスサテライト)』(テレビ東京系)が、4項目全てで他番組を圧倒する満足度を記録し1位を獲得したのだ。やはり芸能ニュースやスポーツニュースなど、“民放ニュース番組らしい”構成をそぎ落として経済ニュースに特化した番組構成が功を奏し、経営層や意識の高いビジネスパーソンなどの支持を集めているようだ。
また、総合満足度の2位には、こちらも視聴者数では17.6%の4位と低調だった『ニュースきょう一日』(NHK)がランクイン。NHKらしい落ち着いた番組構成が、ガチャガチャした番組を見たくないというニーズにマッチした結果だと思われる。
ここまで視聴者数と満足度の逆転現象が見られる夜のニュース番組だが、残念ながらどちらも低い結果となってしまったのが『FNN Live News α』(フジテレビ系)だった。視聴者数で7.6%と6番組中最下位に沈んだ『Live News α』は、「わかりやすさ」「コーナー・企画」の満足度でも最下位に。残り2項目の満足度も下位の結果に終わり、視聴者の心を捉えきれていない様子が浮き彫りとなった。
『Live News α』は、優しい色合いのスタジオからフジの誇る人気アナウンサーがキャスターとして出演し、経済ニュースやバラエティ色を抑えた内容のニュースを報じている。華のあるアナウンサー陣が落ち着いた経済ニュースを伝えるという、“良いとこ取り”の番組カラーだ。しかし、『WBS』のように経済一本にも振らず、『news zero』のようにタレントキャスターも起用せず。悪く言ってしまうと“どっちつかず”の印象が否めずファンを獲得しきれていないことが、この調査で視聴者数が伸びなかった理由なのかもしれない。ライバル他局との差を埋めるためにも、方向性の見直しは必要なのではないだろうか。今後の『Live News α』の動きに期待したい。
参照元:【2020】夜のニュース番組の満足度リサーチ結果【日本トレンドリサーチ】
※サムネイル画像(Image:Sergio Yoneda / Shutterstock.com)