段々と寒さが厳しくなっていく今日この頃。街では華やかなイルミネーションが点灯しだし、今年1年の終わりを感じる人もいるだろう。1年が終わると同時に新しい1年がスタートする。新年に欠かせないのはやはり初詣。しかし、来年の初詣はあなたが今まで行ってきたものとは異なるかもしれない。
今回は、これからスタンダード化するかもしれない新しい初詣・参拝様式を紹介する。
コロナ禍でも初詣・参拝への需要は高め
マーケティング会社・ゼネラルリサーチの調査によると、「来年(2021年)の初詣・参拝に関して今の考えを教えてください」という質問に対し、世代間で差はあるものの「行くと思う」「おそらく行くと思う」と回答した割合は多めだった。コロナ禍であっても初詣・参拝に対して前向きな人は一定数いるのだろう。一方、「行かないと思う」「おそらく行かないと思う」と回答した人の具体的な理由としては、「まだ密な場所に行くのは避けたい」という回答が最も多く、感染対策の意識の高さが窺えた。
さらに、「来年(2021年)の初詣・参拝でできないと思うことを教えてください」という質問に対しては、「手水舎で手、口を清める(58.1%)」が最も多く、「鈴を鳴らしての参拝(39.3%)」「カウントダウンに参加(34.8%)」などが続く。接触や密による感染リスクの拡大が懸念されている結果だろう。
従来まで当たり前だった初詣・参拝様式だが、今年からは大きな変化を取り入れる必要があるのかもしれない。
京都市下京区にある東本願寺では既に、御影堂や阿弥陀堂を訪れた参拝者が納める賽銭にQRコード決済「J-CoinPay」と「UnionPay」を導入した「キャッシュレス賽銭」のサービスが始まっている。利用者はパネルに掲載されているQRコードをスマートフォンなどの端末で読みとり、金額を入力すれば賽銭の支払いが可能というものだ。東京都港区にある愛宕神社でも公式HPでおみくじを引くことができる「オンラインおみくじ」が用意されるなど、ニューノーマルの波は寺社仏閣でも進んでいるようだ。
さらに、離れていてもスマートフォンやPCを利用して「リモート参拝」ができるようにしている寺社もある。中でも、2020年の4月から6月までに行われた奈良の大仏(東大寺東大寺盧舎那仏像)のリモート参拝は、動画サイト「ニコニコ動画」で生中継され、読経の音声もリアルタイムで聞けると大きな話題を呼んだ。
今はまだ試行錯誤の段階で不便な点や「本当にそれでいいの?」と思うことも多々あるかもしれない。しかし文化は過去から積み上げられてきた結果に過ぎない。今はまだ否定的な意見の多い事柄も、これから歴史を積み上げていくことで新しい初詣・参拝様式として根付いていくかもしれない。
参照元:「来年(2021年)の初詣・参拝とオンライン化」に関する無料調査レポート【ゼネラルリサーチ株式会社】