いいことばかりではなかったGo Toキャンペーンの真実! お店を助けるつもりが逆に…?

コロナ禍で大きく落ち込んだ観光・飲食業の需要を喚起するため始まった「Go To トラベル」や「Go To Eat」などのGo Toキャンペーン事業。国の補助でおトクに利用できることもあって、消費者には広く受け入れられ利用者も急増している。これでキャンペーンに参加している旅行業者や飲食店も潤っている…と思いきや、実はそうでもないらしいことが明らかになってきた。
今回は観光・飲食業界を助けるはずのGo Toキャンペーンが、逆に負担になっている現状をご紹介していく。

消費者にとってはデメリットゼロのキャンペーンだが…

(Image:vulture / Shutterstock.com)

Go To トラベルはコロナで停止した全国各地への人の動きを取り戻した

 Go Toキャンペーンはご存知の通り、2020年に世界的に猛威をふるった新型コロナウイルス感染症の影響で打撃を受けた観光・飲食業の事業者を支援するための施策として始まった給付金事業だ。利用する消費者は事前に申請することで、国から補助を受けておトクに旅行や飲食を楽しめるとあって好評を博している。

 Go To トラベルでは旅行代金の50%相当、Go To Eatでも購入金額に25%上乗せされたおトクなプレミアム商品券やオンライン飲食予約で一人当たり500~1,000円分のポイントが付与されるなど、国が補助するかたちとなっている。消費者の視点では、旅行を申し込んだ時点で割引が付与されていたり、商品券やポイントで通常と変わらぬ飲食を楽しめたりといいことずくめだ。

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キャンペーンで来店客も増え活気を取り戻しはじめているように見えるが…

 しかし事業者側にとっては、お客が増えて嬉しい反面厳しい部分もあるようだ。実はGo Toトラベルの割引は、旅行業者が35%を割り引いて販売し、後日国から給付を受けるシステム。給付金が入るまでは、事業者側が代金の割引を“立て替え”している状態だ。
 そして現状では「9月に国に申請しながら入金が11月にずれこんだ」などの事例が後を絶たないといい、そのタイムラグのためにホテル・バスの手配などの資金繰りに苦慮する事業者の悲鳴が続出しているという。Go To Eatでも同様に、飲食店が利用されたプレミアム商品券を換金しようとしてもスムーズな換金ができておらず、食材の仕入れなどに使う資金の工面に困っている状況を、熊本日日新聞が伝えている。

 利用する消費者は「おトクだし、お店を助けることになるから積極的に使おう!」となるキャンペーンだが、その裏でいまの制度上ではお店にとっては少なくない負担を強いていることが明らかとなった。この実情を知ってしまうと、消費者も素直に旅行や飲食を楽しめなくなってしまうかもしれない。
 「負担になってお店が潰れちゃったら本末転倒だし、もしかして利用しないほうがいいのかな…?」と考えてしまい利用を控える人が出ないよう、国は早急に制度を改善し事業者への負担を軽減してほしいものだ。

参照元:「Go To」入金遅れに悲鳴 熊本県内の旅行・飲食業【熊本日日新聞

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オトナライフ編集部
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