コロナ禍でデジタル化が進むほど、アナログの価値に気づくという構図が浮き彫りに!

2020年、世界的に流行した新型コロナウイルス感染症の影響で、世の中の日常は根底から覆された。これまで当たり前のように対面で行っていた行為がオンラインに移るなどのデジタル化が進み、キャッシュレス決済やWeb会議などが台頭してきた。しかし一方で強制的なデジタルへの移行により、「やっぱり実際にその場で見る・会うほうがいい」といったアナログ回帰の傾向を示す事柄も少なくない。
今回は、デジタル化が進む世の中の中で、改めて対面の良さを見直されている分野についてご紹介していく。

コロナ禍で急速に身近になった“デジタル”

オンライン飲み会は、このコロナ禍で生まれた代表的な新しい文化だ

 このコロナ禍では「3密」や人の移動が大きく制限されたことで、様々な“オンライン〇〇”が生まれた。代表的なところで言えば、国も推奨している「テレワーク」などとも呼ばれるオンライン勤務がある。さらには「Zoom飲み会」といった言葉も生まれたオンライン飲み会、コロナ前から広く利用されていたものの利用の加速が進んだオンラインショッピングなども身近になったことは間違いない。エンタメ業界でも、大規模なライブを自粛するようになりオンラインライブなどの開催も広まった。

 デジタルマーケティング会社・電通デジタルは7月、「コロナ禍におけるデジタルネイティブ世代の消費・価値観調査」で、こうしたデジタル化に対する消費者の意見を調査している。その結果によれば、「コロナ禍がきっかけで暮らしはデジタルで完結するようになる」という設問に対し58.9%の回答者が同意した。

ライブ会場は密になりやすいため、もうしばらくは我慢が必要だ

 しかし、キャッシュレス決済を利用した人のうち、92%が「現金よりもキャッシュレス決済を利用したい」と答えるなどデジタル化を受け入れる声が多い中で、全てがデジタルに移行するわけではないことを示すアンケート結果も示されている。
 例えばライブは、芸能人・タレントのライブ配信を視聴した人のうち73%が「ライブ会場や公演場での観覧をしたい」と回答。ファンは、目の前でパフォーマンスを披露するアーティストをその目に焼き付けたい、という願望が強いことが明らかとなった。さらに身近なところでも、オンライン飲み会経験者のうち78%が「飲食店での飲み会や食事をしたい」と答えた。文化として定着したと思われていたオンライン飲み会ですらも、4人に3人が「対面で飲みたい」と感じていたという意外な結果となった。

 考えてみれば2020年10月からスタートした「Go To Eatキャンペーン」も、11月半ばで早くも終了が発表されるなど非常に多くの利用者を動員していた。やはり世間の人々も、キャンペーンを口実に実際に会って会話を交わしたいと思っていたのかもしれない。デジタル化が進むほどアナログの価値に改めて気づくという構図が、このコロナ禍で浮き彫りとなったようだ。

参照元:「コロナ禍におけるデジタルネイティブ世代の消費・価値観調査」実施【電通デジタル

オトナライフ編集部
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