無責任すぎるGo Toトラベル! 旅行で何かあっても“自己責任”?

連日大きく揺れる「Go To トラベル」が、世間の注目を集めている。現在第3波が到来しているとされ全国各地で感染が拡大する中で、国も感染が拡大している札幌市・大阪市をGo To トラベルの目的地から外すなどの感染抑制の対応を行っている。しかし一方で札幌市・大阪市“から”出発する人々については規制せず、「旅行を控えるよう呼びかける」に留めている。本人たちの判断に委ねたかたちだ。
今回は、国民に委ねられた自己責任のGo To トラベルについてお伝えしていく。

札幌・大阪はGo To目的地から除外も…

これからの時期、札幌は雪化粧で観光シーズンとなる…はずだった

 Go To トラベルといえば、2020年7月からスタートした移動費や宿泊費などが最大半額補助されるキャンペーン。新型コロナウイルス感染症によって大きく制限された人の動きを活性化させ、国費を使って観光旅行に行ってもらおう、という振興策だ。10月からはキャンペーン開始当初に「感染拡大しているため」と除外されていた東京都も目的地・出発地に加わり、10月末の時点で延べ3,976万人がキャンペーンを利用したと発表されている。

 しかし11月に入ると、全国の感染者数は急激に増加。「第3波が来た」と現在も大騒ぎの状態だ。当然、人の流れを促進するGo To トラベルも問題視されることに。11月24日には、札幌市・大阪市が12月15日までGo To トラベル目的地から除外されることが伝えられ、それまでに予約していたキャンペーン利用者にはキャンセル料無しでのキャンセルも可能としていた。

東京がいまだに対象地域なことに違和感を覚えてしまう

 ここまで見るとキャンペーン開始当初の東京に対する対応と同じで筋が通っているようにも感じられる。しかしその実、札幌市・大阪市に住む人々の利用は「控えてね」と“お願い”するだけで強制力は皆無。いかにも「国としては呼びかけました」「勝手に行って感染した・感染を広めた人が悪いんです」という“自己責任論”のように感じてしまうのは勘繰りすぎなのだろうか。

 さらに札幌市・大阪市を上回る感染者数を出している東京都が、いまだに除外地域となっていないのも問題だろう。国は「都からの除外要請が無いから」と言い、都は「(開始当初勝手に除外したのだから)今回も国が判断すべき」と言っている。両者の意地の張り合いで、東京に行きたい旅行者や都民は“自己責任”で旅行の可否を判断せねばならない状態だ。振り回される側としてはたまったものではない。さらに都は11月28日には、都内の飲食店に対し3度目の「営業時間の短縮要請」を行った。要請に従う飲食店には協力金が出るとはいえ、あくまで“店舗の判断”に任せる姿勢はあまり見栄えの良いものではないだろう。
 国と都に対して「仲良くしろ」などとは言わないが、この状況下でかかっているのは全国民の健康だ。国民を守るために多少の歩み寄りを見せてもらいたい。

参照元:札幌・大阪Go To除外、来月15日まで=一部予約済み分も―解約負担なし【時事通信ニュース

オトナライフ編集部
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