炭治郎や禰豆子のいない2021年、書店の救世主ネクスト「鬼滅の刃」は生まれるのか

あなたが最後に書店で書籍を購入したのはいつ?そんな質問に「その前は思い出せないけれど、今年に入って『鬼滅の刃』を買いに行った」という方も多いのではないだろうか。事実、鬼滅の刃の書店界への影響は凄まじく、多くの書店が近年まれにみる売り上げを記録しているそうだ。
今回は、鬼滅の刃の大ブームが社会にもたらした影響の大きさについて触れながら、もはやコミックを越えてしまった存在になりつつあることについて迫っていく。

鬼滅の刃が書店の救世主

街の書店は絶滅寸前だった…

 帝国データバンクの調査によると、2019年の書店市場は1兆2,186億円。10年前と比べて7割程度の水準に落ち込むなど、書店市場は絶滅の危機を迎えていた。娯楽の多様化に伴う若年層の「活字離れ」に加え、オンライン書店の台頭や、書籍のデジタル化が急速に進んでいることが衰退の大きな要因となっている。
 しかし本年度は、11月時点までの業績が今後も続けば、書店市場は、増加幅は僅少ながらも4年ぶりに市場が拡大する可能性が出てきている。この記録的な躍進を支えているのが「鬼滅の刃」だ。週刊少年ジャンプで人気連載となった同漫画は、アニメや映画化などが続き社会現象を起こすほどのヒットを記録している。この好調に引っ張られるように2020年度10月のコミック売り上げは、前年比146.8%をたたき出している。

(Image:amazon.co.jp)

ネクスト鬼滅の刃は日本の漫画界に生まれるのか
。『鬼滅の刃』コミックス第23巻 ©吾峠呼世晴/集英社

 最終巻となる23巻が12月4日に発売された鬼滅の刃。今の反響の大きさであれば書店の12月の売り上げは、さらに好調となることは誰の目にも明らかだ。2020年の書店業界は最後まで安泰といったところ。しかし、この現状に甘んじているわけにはいかないのも本音だろう。なぜなら鬼滅はこれが最終巻。来年には、いわばこの売り上げの「ドーピング」といえる起爆剤は無くなってしまうわけだ。このままでは、売り上げは例年並みに戻ってしまう可能性のほうが大きい。
 現在、鬼滅の刃の勢いはすさまじく「スイーツ」、「お菓子」、「文房具」や「ガジェット」までコラボすれば売れるというキラーコンテンツとなっている。新型コロナウイルスで消費が落ち込んだ日本において唯一といっていい明るいニュースであり、日本経済の全ての業界に大きな恩恵をもたらしている。鬼滅の刃の終了はもはや書店業界だけの問題では収まらない。日本の景気に大きなダメージをもたらすだろう。

 鬼滅の刃は惜しまれつつ最終回を迎えたが、読者だけに留まらず日本の経済会全体からも第二期の再開を期待しているといっても過言ではないだろう。

参照元:“鬼滅の刃”人気で特需 縮小続いた書店市場、4年ぶり拡大の可能性高まる【帝国データバンク

※サムネイル画像(Image:shonenjump.com

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