現在「Go To トラベル」が、11月に大阪市・札幌市が対象地域から除外となったり、東京都が高齢者の利用自粛を呼び掛けたりと、何かと荒れ模様となっていることは読者の方々もご存知のことだろう。そんなGo To トラベルは開始当初から「時間や資産に余裕のある人ほど利用するキャンペーンになるだろう」と予想されていたが、そんな大方の予想通りの調査結果が報告された。
今回は、Go To トラベルの主要ターゲット層とその属性についてお伝えしていきたい。
Go To トラベルの利用最多世代は50代と判明
インターネットマーケティング会社のアイディエーションが2020年10月に実施した「『GoToトラベルキャンペーン』利用実態調査」によると、10月の段階でキャンペーンを「既に利用した・予約している」と答えた回答者は22%となった。さらに「利用したい」も30%となり、半数以上が利用意向を示していることがわかった。
中でも50代男性は32%が利用経験者と、調査内で最もGo To トラベルを利用している層であることが明らかに。やはり30代40代といった働き盛りの世代よりも、第一線から一歩身を引いた世代のほうが時間にも心にも旅行に出るだけの余裕を持っているのかもしれない。同調査で50代男女が「行った場所・行きたい場所」として挙げていた地域も、1位・北海道、2位・京都とザ・観光地がワンツーフィニッシュ。夏場に北海道で避暑を満喫したり、普段は外国人観光客であふれかえっている京都をインバウンドが少ないうちに楽しんだりしている様子が窺える。
総務省が発表した2019年の家計調査報告でも、世帯主が50~59歳の家庭では、貯蓄額は40~49歳の家庭と比べておよそ1.7倍、負債額は60%程度となっている。つまり、払うべきローンはしっかりと減らしつつ自由に使える貯蓄が一気に増えている世代だ。そんな堅実な世代が「国が補助を出しますので、全国の観光業を助けるために旅行に行ってください」と言われたら、「行かないのも逆に失礼」とばかりに利用頻度が増してもおかしくない。その結果が、今回の調査に反映されたのではないかと考えられる。
旅行のメインターゲットとなるのは今回の調査で判明した50代やそれ以上の、“時間とお金に余裕がある層”だろう。東京都が利用の自粛を求めたのは「高齢者」にあたる65歳以上だったが、最大の利用者層である50代を含めなかったのは吉と出るか凶と出るか。これから先のGo To トラベルの進む先はそこにかかっていると言っても過言ではない。キャンペーンの動向に、今後もしっかりと注目していきたい。
参照元:Go Toトラベル利用実態調査 「利用したい」半数 「感染気にする」8割【乗り物ニュース】
※サムネイル画像(Image:goto.jata-net.or.jp)