Googleの検索AIの高性能ぶりが、思わぬ騒動を巻き起こしているようだ。その発端となったのは、フィッシング詐欺等で使われる「大文字と小文字」や「『0』と『o』」といった違いで公式HPのふりをした“まぎらわしいURL”を警告するGoogle検索の機能だった。その機能が、あろうことか正式な鉄道会社である「紀州鉄道」の公式HPを“まぎらわしいURL”と判定して警告を出していたというのだ。いったいなぜなのだろうか…。
今回は、Googleの検索AIが優秀になりすぎたがゆえの小さなトラブルをご紹介したい。
“本物”のローカル鉄道が“偽物”扱い!?
やきぱな / Panaki(@yakisoba_panaki)
今回話題となった紀州鉄道とは、和歌山県御坊市内を走る全長2.7kmの小さなローカル鉄道だ。御坊市のHPでも「日本一短いローカル私鉄」と紹介されるなどその規模の小ささがかえってセールスポイントとなっているのだが、今回はその小規模さがあだとなったようだ
今回“まぎらわしいURL”とされた紀州鉄道のHPのURLは“http://www.kitetsu.co.jp/”。紀州鉄道を略した“紀鉄”がもとになっているのは言うまでもない。しかしGoogleの検索AIはこれを「『近畿日本鉄道』のHP(https://www.kintetsu.co.jp/)の間違いでは?」と警告を発したのだという。確かに「kitetsu」と「kintetsu」は「n」が入るか否かの違いしかない。名阪を結び、かつてはプロ野球チームも持っていた大手私鉄の近鉄と比べれば、知名度もサイトのアクセス数も天と地ほどの差があるのは歴然。その結果、GoogleのAIも紀州鉄道のHPを“偽物”と判断してしまったのかもしれない。
現在はすでに警告が出ないように対応済みとのことだが、とんだ珍事でその名が全国に知れ渡ることになったようだ。
ご存知のようにGoogleといえば、世界のデジタル技術の発展をリードし続けてきたIT企業だ。検索機能はもとより、「Gmail」や「Google ドライブ」、さらには「Googleカレンダー」、「Google ドキュメント」など、Googleアカウントで利用できる多彩なサービスは現代のサラリーマンにとってもはや無くてはならないサービスとなっている。このコロナ禍でも、オンラインでの打ち合わせや商談のニーズが急騰したことでWeb会議ソフトである「Google Meet」も一躍脚光を浴びたことを覚えている読者も少なくないだろう。
テクノロジーが進化していくことで、その反動としてこうした“人の手であれば起こらなかったような”小さなトラブルがちょこちょこと発生してくるかもしれない。しかしそんなトラブルを一つひとつ潰していけば、今以上に便利な世の中が訪れることは想像に難くない。そして、その中心にはほぼ確実にGoogleがいることになるだろう。今後も、Googleの進化に期待して世の中を見つめていきたい。
参照元:悲報:紀州鉄道のWebサイトが「Google Chrome」に“近鉄の偽物じゃね?”と言われてしまう【窓の杜】