スマートフォンの買い替えがさらに活発になっていくかもしれない。楽天は1月25日、フリマアプリ「ラクマ」が中古スマホの買取サービスに進出することを発表した。近年はスマホのバッテリーの寿命が延びてきて登場当時と比べると機種変の頻度は下がってきてはいるものの、まだまだ1~2年で買い換える人も少なくない。そうした人たちにとって、変更前の機種を買い取ってもらえることは金銭的な負担を軽くするありがたい話とも言えるだろう。
今回は、ラクマがはじめるスマホ買取サービスが与える変化を考えていきたい。
楽天グループが中古スマホ業界にも進出!
ラクマがはじめるスマホのオンライン買取サービス「ラクマ中古スマホ買取」は、買取依頼の申し込みから買取査定金額の確認、さらには買取額の支払いすらもラクマのアプリで完結できる、という高い利便性をもつサービスなのだという。ユーザーが申し込みを行うと自宅に届く“買取キット”でスマホを郵送すると、専門業者がスマホの状態を査定し買取額を算出。ユーザーがその買取額に同意した場合に、買取が成立して査定額相当にあたるオンライン電子マネー「楽天キャッシュ」がユーザーの楽天IDに付与される。というのが一連の流れだ。
また、発表では「買い取られた端末にデータが残っていた場合は、専門業者が責任をもって消去します」とも補足されている。近年は“スマホは個人情報の塊”という認識も広がり、総務省の「電気通信事業分野における市場検証(平成 30 年度)年次レポート」によれば機種変前の端末を廃棄または自身で保管している人が6割にのぼっている、という調査結果もあるだけに、ユーザーが安心して利用できるサービスを目指している姿勢が伺えた。さらに期間限定ではあるが、ジャンク品の買取も行うことも発表されている。
2020年はコロナ禍によって外出の自粛が広がり、取扱店舗へ出向く必要があることも少なくない機種変も控えられ、市場に出回る中古スマホの量も減少したようだ。しかしリサーチ会社・MM総研の調査によれば、ここ10年ほどは中古スマホの販売台数は増加傾向にあり、2019年度も前年から増加していた。さらに2025年度には265万台に拡大していくという予想も公表されている。ラクマのような手軽な中古スマホ買取サービスが普及することで、そうした流れがさらに加速することもあり得るだろう。
また、この買取サービスで見逃せないのは、「買取額が楽天キャッシュで付与される」という部分だ。楽天キャッシュとはその名の通り楽天グループの提供するオンライン電子マネーのサービス。ラクマや「楽天市場」「楽天トラベル」といったネットサービスや、現在シェア争いが白熱しているQRコード決済の「楽天ペイ」で利用が可能だ。楽天グループとしても、自らの“楽天経済圏”にユーザーを引き込む好機となりそうだ。
ラクマのサービス範囲拡大が、楽天経済圏の成長にどう影響を及ぼしていくか。2021年も楽天から目が離せなくなりそうだ。
参照元:楽天「ラクマ」がスマホ買取サービスを開始、ジャンク品の買取もOK【iphone Mania】
※サムネイル画像(Image:fril.jp)