株式会社シグナルトークが世界ではじめて、AIがすべての市販食品の健康への影響を判定してくれる「FoodScore(フードスコア)」のアプリをリリースしたと発表。なんと食品のバーコードや原材料名から、それぞれの食品の健康への影響をAIが数値化しリスト化してくれるといい、明確な指標で食品の購入の判断を手助けしてくれるようだ。消費者がこのアプリを使って原材料名に気をつかう風潮ができれば、既存の食品もよりよいものになっていくのでは。今注目のアプリについて追っていきたいと思う。
食への意識をアプリで変える?
世界初の新サービスFoodScoreは2月4日から利用無料で開始している。ウェブ版では、「すぐ食べられる」「自炊用」などのジャンル別、あるいは好きなキーワードを入力すると、商品リストを見ることができる。このリストには、投稿による美味しさの評価や口コミが表示され、健康度や美味しさ、原材料の表示なども把握することができるようになっている。
さらにアプリ版では、食品のバーコードや原材料をスキャンすると、「健康度スコア」という国のデータや専門家の知見、ヘルスケア事業データ等を基に算出された健康への影響をAからEまでの5段階で表す独自指標で知らせてくれる機能があるという。バーコードでの読み取りは、日本の市場で約16万種類が流通していると言われる食品のなかで、すでに5万種類をカバーしているようだ。こういったアプリでは商品が読み取れないということ自体がストレスになり、利用をやめてしまう人も多いと思われる。リリース段階でこのカバー範囲は大きなメリットになりそうだ。
たとえばだが、家庭を持ちスーパーなどに食材を買いに行く親世代はもちろん、一人暮らしをするサラリーマンや学生など広い世代にFoodScoreアプリの利用が広まったとする。今まで添加物などについては、存在は知りつつもとくに意識してこなかった人たちはかなり多いように思う。そんな人たちが、明確に食品の原材料名に含まれる添加物や症状の関連リスクを把握する。つまりアプリで見える化することによって、日本の食への意識が一気に変貌することもあるのではないだろうか。既存の食品もより健康にいいと思われる成分等を用意することになるかもしれない。
また、消費者が原材料名に気をつかう風潮ができれば、食品会社はじめ関連企業などは既存の食品はじめ新商品にもより健康によいものに変えざるを得ない。もちろん添加物などを抜いた、いわゆる健康にいいものは原価が高くなりがちだ。しかし消費者の選択の幅が広がれば、より多くの企業にも製品開発のチャンスが訪れるかもしれない。
「体にいいものだけを食べてほしいというわけでなく、指標として使ってほしい」と代表取締役の栢孝文氏はコメントしている。しかしそうは言っても、今まで見えなかったものが数値として明確に見えた「こっちのほうが健康によい」と知ったとき、筆者であれば「美味しそう」よりも「健康意識」を選んでしまいそうだ。何はともあれ、このアプリが普及していけば、食品業界は路線変更を考え、大きく舵を切る用意が必要になるかもしれない。
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