ネットショッピングが当たり前の日常となった昨今に、楽天市場とAmazonはまさになくてはならない存在。ネット通販サイトの2強とも言うべき巨大な市場ではあるが、両者の優位性は他サイトに比べ、創成期のころから何ら変わりないように見える。いまやSNSの大隆盛に加え、クラウドファンディングやメルカリといった多岐に渡るサービスも誕生。様々な形のネット通販サイトも生まれたがなぜこれほどまでに2社は強いのだろうか。楽天市場とAmazonの強さについて追いたいと思う。
圧倒的な蓄積が代えがたい武器に
楽天市場とAmazonは、これまでサイト自体に大きな仕様変換等があったようには思えないが、他ネット通販サイトにくらべ強さを発揮、圧倒的なシェアを誇っている。アンケートサイト・ボイスノートによって2月頭に実施された通販サイト利用に関するアンケートにて、最も好きな通販サイトランキングでも、1位・楽天市場、2位・Amazon、3位には「Yahoo!ショッピング」が入る結果になっていた。
仕様が大きく変わったわけでもないのに、支持され続ける理由は、初めての買い物でも失敗しにくい仕組みがあるからなのかもしれない。ネットで買い物をする際に怖いこと、つまり世代問わず誰もが念頭におくのは、「この買い物をして失敗しないか」という点。初めて買う商品、初めて使うECサイトでは、なおさら警戒する人も多いと思われる。そういった点において、楽天市場とAmazonはネット通販における初めての買い物でも失敗しにくい仕組みがすでに備わっており、懸念材料が少ないため優位性があると考えることもできる。
楽天市場やAmazonに備わっている仕組みは、今や誰もが当たり前に目にして、参考にする。つまりレビューの点数や口コミを指している。この2市場は創成期からの注力もあり、その数などはまさに圧倒的。前述した通り、ネットショッピングにおいてまず思考が働くのは失敗しないようにということ。その点、最初にレビューを入念に読み込んでいけば大きな失敗はない。いわゆる“フェイクレビュー”のような、出店している企業が意図的にレビューを増やす行為についても、楽天市場やAmazonでは排除される仕組みが整えられ、レビューの信頼性も高まっているように思う。レビューの信頼性の高さと絶対数が多く統計的にも外れにくい口コミの存在は圧倒的な強みであり、他サイトはこの蓄積に今から追いつくことはかなり困難だ。つまり、よほどの武器が無いと参入の割り込みは厳しいのかもしれない。
そんな2強の口コミやレビューについてだが、これは圧倒的な数とフェイクレビューを排除する楽天市場とAmazonならではの信頼性によるところが大きい。そんなAmazonだが、コロナ渦の際にマスク詐欺の報告が相次いだこともあった。被害は、「商品がすり替えられた」「送料が50万円になっていた」「商品が届かない」といったもの。この件を考えてみるとネットショッピングにおけるAmazonの信頼性の根幹を揺るがすような出来事だったのでは?と思わずにはいられない。
商品が揃っていることがもはや当たり前な今のネットショッピング。今後、口コミの公平性などを整備した上で強力な経済圏を持つ通販サイトや他サイトが特典などで2強に対抗する流れが出てくるのか。ネットショッピング市場に注目が集まる。
参照元: 買い物に悩む消費者が無意識にアマゾンと楽天を使ってしまうシンプルな理由【プレジデントオンライン】
※サムネイル画像(Image:Devina Saputri / Shutterstock.com)