コロナ禍によってどの業界においても少なくない影響が出る中、とくに変化を求められることになった外食産業。そんな中、2020年2月に実施された大手外食チェーンの利用に関する調査で、ハンバーガーチェーン店のマクドナルドが圧倒的な強さを見せたという。そう言われてみれば、緊急事態宣言が出た後も、昼間にマクドナルドで並ぶ行列が店外まで伸びていたり、夜遅くてもテイクアウトで営業していたり、という印象があるようにも思える。そんな影響もあって、圧巻の順位を手にしたのだろうか。今回の大手外食チェーン店のアンケートについて追いたいと思う。
外食・テイクアウト・デリバリー・どれもマクドナルドが人気
上述の通り、株式会社スパコロは、東京都・大阪府在住の1,855名を対象に実施した「コロナ禍における大手外食チェーン利用率の調査」を発表。外食・テイクアウト・デリバリーの利用方法ごとにそれぞれの現状について調査結果を報告している。その順位だが、なんと2020年12月以降に最も利用された総合利用率チェーン店はマクドナルドがトップを獲得し、数値として47.3%という結果に。今回の調査を項目別に見てみても、外食・テイクアウト・デリバリーといったすべての部門でマクドナルドが1位を獲得しており、他社を引き離しての圧倒的な強さを見せつけた形になっている。
その他、総合利用率の順位としてはマックについで、ミスタードーナツが22.9%、ケンタッキーフライドチキンが22.6%を記録。外食利用率では、比較的ファストフード店の利用が高くなった。また、テイクアウト利用率では、時短営業の影響による外食から、テイクアウトへの需要シフトにうまく対応したチェーン店が上位に名を連ねたように思える。
そんなマクドナルドと言えば、以前は期限切れチキンの問題など多くの不祥事が定期的に巻き起こり、多くの問題が取りざたされていた過去も。しかし、いまや「ヤベェよ、ダブチ!シリーズ」や「三角パイ」CM等の好感度も含め、マクドナルドの商品に惹かれたという声は数多く見受けられるようになった。
また、今回のアンケートでマクドナルド利用者の半数がアプリを活用しているというデータもあることから、コロナ禍にマクドナルドがアプリによって顧客とのコミュニケーション維持を図ってきたことは間違いなさそう。マクドナルドの日頃の企業努力に加え、コロナ禍でのピンチをチャンスに変えた手法が、今回のアンケート結果に大きく響いたのでは。困ったときは「マクドナルドならやっているだろう」という、顧客の安心感を見事に構築し、コロナ禍を乗り越えるマクドナルドがこの先どのような施策を出していくのか注目が集まる。コロナ禍のピンチをチャンスに変えようと模索する外食産業から目が離せない。
参照元:スパコロ、「コロナ禍における大手外食チェーン利用率の調査」を発表【スパコロ】
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