家庭の充電ケーブルに実は「やけど」の危険性があることが分かった。「独立行政法人製品評価技術基盤機構」の発表によると、ケーブルによるやけどは、私たちの体からでる“あるもの”によって引き起こされていることが判明した。
今回は、ケーブルのもつ思わぬやけどの可能性とその原因、そして今後の対策について考えていきたい。
部屋中に充電ケーブルが…。その環境危険かもしれません
スマホやBluetoothイヤホン、その他にもタブレットや家庭用ゲーム機など、私たちが生活の中で使う、多くのものには充電式のバッテリーが搭載されている。そしてそれらの多くは、USBポートなどに「Lightningケーブル」や「Type-Cケーブル」や「Micro-Bケーブル」などの各種ケーブルを差し込む形で充電をしている。「枕元やリビングなど、部屋中のいたるところでスマホが充電できるようにケーブルが…」。なんて方も少なくないはずだ。しかしその挿しっぱなしケーブルに実は大きな危険性があることが分かった。
製品事故に関する情報収集を行う「独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)」の行なった、モバイルバッテリーやUSBケーブルでの事故調査の発表によると、ケーブルを電源に接続したままの状態で就寝したユーザーが、端子部とほとんど同じ大きさの「やけど」を体に負うという事故が発生していることが分かった。同機構の発表によると同じ条件下での再現実験では、端子部分の温度上昇は発生しなかった模様。では、熱が発生していないのにもかかわらず、ユーザーがやけどを負ったのはなぜだろうか。
同機構によると、ユーザーは「科学やけど」(酸、アルカリ、有機溶剤の化学物質によって皮膚がやけどのように傷つくこと)を負った可能性が高いと説明された。就寝時にユーザーから発生した「汗」がコネクタに付着、そこから酸などの物質が電気分解によって生成されたのではないかと推測しているようだ。熱が無いところから、やけどの危険が生まれるという手品のような事態が起きることに、大きな驚きを感じると共に、今後は汗やよだれといった自身の体から発生する水分には、十分注意をするべきだろう。
古くは「寝たばこ」が危険だと言われていたように、現代では「寝スマホ」ができる環境がやけど等の惨事につながるかもしれない。「文明の発展が皮肉にも新たな危険をもたらす引き金になってしまう」、そんな悲しい事態は避けたいものだ。今回の発表をメーカー各社は今後さらなる安全策へと生かしていただきたい。
参照元:やけどの可能性も。USBケーブルの挿しっぱなしに注意【PHILE WEB】