フリマアプリ「メルカリ」が、中国のオンラインモバイルコマースカンパニー「アリババ」と提携し、中国にも商品を販売することが可能になった。今までと変わらず、国内での販売手続きで中国への売買が行えるようになるものだ。コロナ禍の影響により海外旅行がままならない状況の中で、ECサイトの需要が増加し、中国国民は日本製品を手軽に買い求められるようになった。ECサイト人気の流れに乗りメルカリとアリババの業務提携を推進したのだろう。アジア経済圏との連携により、メルカリにとって大きなビジネスチャンスになりそうだ。2020年2月にはメルペイやドコモがメルカリと業務提携している。海外展開を推し進めるドコモにもその恩恵を受けることができそうな予感だ。
消費意欲がネット通販にシフト
中国ではネット通販各社が大きなセールを行っている。コロナ禍の影響で、2021年は今までに類を見ないセールを実施。セール期間中の売上高はおよそ8兆円だという。中国のECサイト需要は留まることを知らない様子だ。
今回のメルカリのような、ネット通販を活用した国際的な商取引を行う“越境EC”は、日本だけでなく東南アジアにも拡大している。東南アジアを中心として展開するECサイト「Lazada」も2016年にアリババの傘下に。現在はマレーシアやタイなど6カ国でサイトを持ちどの国でも統一したデザインを採用したことで東南アジアの国の人々が近隣の国に転居してもネット通販を難なく利用できるようになっている。
Lazadaをはじめ、アリババの買収により東南アジア全域にアリババと業務提携を行ったECサイトが多数存在している。提携と買収の違いこそあるものの、メルカリもそのひとつとなったと考えてもいいのかもしれない。海外とのシームレスな売買が可能になるのは、メルカリ出品者にとっても利用シーンの幅が広がり、より使いやすいサービスになるのではないだろうか。
2020年2月、メルカリ・メルペイ・ドコモの3社が業務提携したことを覚えている読者もいるかもしれない。パートナーであるメルカリが中国進出を果たしたいま、巨大な中国市場でメルカリが業績をアップさせていったとしたら、その影響を受けて“ドコモ経済圏”にも良い影響が出てくるだろう。
現在は“楽天経済圏”や“ソフトバンク経済圏”の2つが存在感を放っている日本国内の経済圏争いだが、今後その争いの中にドコモも割って入ることができるだろうか。中国でのメルカリの浮沈が、ドコモの今後を左右することになるかもしれない。
参照元:メルカリが「アリババ」と提携、EC経済圏拡大はビジネスチャンスとなるか?【ビジネス+IT】
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