日本郵政はどうして今頃普通切手のデザインを変更するのか? 偽造品対策!?

2021年4月13日、日本郵政は普通切手のデザインを新しいものに切り替えると発表した。今回、新デザインになるのは「94円」「100円」「120円」「140円」の4種類。新しい切手の図柄は従来と同じだが、右上に「〒」マーク、左下に「桜」のマークが光で色が変わるパール印刷で追加されているという。でも、どうして今頃、普通切手のデザインを変更するのだろうか? 

普通切手の新デザインは偽造対策だった!

(Image:post.japanpost.jp)

 メールやLINEが普及して縮小傾向にある郵便事業だが、最近は人気キャラをデザインした記念切手なども発売されており、手紙を出さないのに記念切手だけは買ってしまうという人も多いだろう。
 そんななか、日本郵便は2021年4月13日、普通切手「94円」「100円」「120円」「140円」の4種類のデザインを変更すると発表した。図柄は従来のものとほぼ同じだが、右上に「〒」マーク、左下に「桜」がそれぞれ追加されている。それにしても、どうして日本郵便は、今頃普通切手のデザインを変更したのだろうか?
「日経ビジネス」の記事によると、新デザインに変更された理由はズバリ「偽造対策」だそうだ。実は過去に100円前後の切手で偽造品が発見されており問題となっていた。そこで、「〒」マークと「桜」マークには偽造しにくいパール印刷と呼ばれる光沢のあるインクを使用して、光の当たる角度で色が変わるようなっているのである。なお、新デザインの切手の販売は、現行デザインの切手の在庫がなくなったあとになるため、2021年5月以降になると見られている。

(Image:post.japanpost.jp)

今回デザイン変更されるのは「94円」「100円」「120円」「140円」の4種類。右上に「〒」、左下に「桜」のマークがパール印刷されている

 それにしても、今回「94円」「100円」「120円」「140円」の4種類が偽造対策のためにデザイン変更されたのはなぜなのだろうか? 日本郵便は2019年8月に同様のデザインを導入したが、このときは封書用の「84円」、はがき用の「63円」、そして「210円」以上の高額切手のみで、今回の4種類については見送られていた。ところが、その後デザインを変更しなかった4種類の切手で偽造品が見つかったため、ようやく今回新デザインに変更されることになったという。
 筆者は気になって切手の偽造事件をネットで検索してみたところ、実際に何件か切手の偽造で逮捕者が出ている事件がヒットした。実は筆者もよく使う封書用の84円切手は、経費を削減するのためにチケットショップで100枚シートをよく購入していたが、もしかすると偽造品が混じっていたのかもしれない……。

すでに偽造対策が行われているのが「84円」切手。実際に購入した切手に光を当ててみると「〒」と「桜」のマークが光で浮き上がった

「ぽすくま」柄の新1円切手も限定発売に!

 偽造品とは関係ない話題だが、切手好きには見逃せないのが約70年ぶりに新しいデザインで発売される1円切手だ。長年1円切手の図柄になっていたのは、日本近代郵便の父と呼ばれる「前島密(まえじまひそか)」の肖像を使ったもの。郵便ファンからは他のデザインを要望する声があったとのことで、今回の新1円切手には、日本郵便のイメージキャラクターである「ぽすくま」を用いた図柄が採用されている。この「ぽすくま」新1円切手は50枚のシート単位(50円)で、すでに2021年4月14日から発売されている。発行枚数は1億枚(200万シート)限定となっているので、欲しい人は急いで近所の郵便局でゲットしよう。

(Image:post.japanpost.jp)

左が前島密の肖像を使った1円切手。1円切手はこのデザインのみであったが、郵便ファンの熱い要望で、ついに「ぽすくま」柄の新1円切手(右)が発売さることになった

 

参考元:「日本郵便が偽造対策で切手デザイン変更 知っておきたい10のこと」【日経ビジネス】
●日本郵便「普通切手4券種におけるデザインの一部変更」(公式)は→こちら

文=植村照明/編集・ライター

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