ブランド総合研究所が2月17日~23日に、出身地への移住意欲の有無についてインターネットでアンケート調査。その内容をランキングにした「Uターンしたい人が多い都道府県ランキング2021」をWebメディア「ダイヤモンド・オンライン」が発表した。ランキング1位となったのは福岡県。さらに2位にも熊本県がランクインと九州勢が2トップとなる結果に。同調査では、福岡県出身者の3人に1人以上が地元へ移り住みたいと考えているという。一方、東京は16位と、人口は多いが出身者の地元へのこだわりは低いのかもしれない。
若年層の福岡県出身者がUターン希望か
ブランド総合研究所の実施した調査では、出身の都道府県に対して「将来的にその都道府県に住みたい(戻りたい)と思いますか」という設問があった。その設問で「すぐにでも(住みたい)」「いつかは」「住んでもよい」「どちらとも」「あまり思わない」という5つの選択肢を集計しランキングが構成されている。
1位となった福岡県は、「すぐにでも」と回答したのが13.3%、「いつかは住みたい(戻りたい)」は20.2%。合計の“移住意欲度”は33.5%となり、3人に1人は地元・福岡に戻ることを前向きに考えていることが明らかとなった。また、30%を超えたのは1位の福岡県だけだった。
2位の熊本県は「すぐにでも」が8.1%、「いつかは」が20.9%と回答した人の合計は29.1%となり、47ある都道府県の中で九州地方が2トップとなる快挙を果たした。こうした結果は、地元に対する愛着とも深い結びつきがありそうだ。
“移住意欲度”の高さを年代別に見ていくと、20代~30代がとくに高くなっていたという。進学や就職を機に地元を離れた人が多く、知識や経験を身につけたタイミングで故郷に錦を飾りたいと考えるようになる人が増えてくるのかもしれない。そうした思いを抱くことができるのも、出身者の地元愛が強いことの証明と言えるだろう。
また、ブランド総合研究所の田中章雄社長は、熊本県の県庁所在地である熊本市がコンパクトシティーに取り組んでいることも2位躍進の理由のひとつであると分析。各地で進む高齢化や人口減少にも負けない力を持った都市であることが、熊本県の魅力のようだ。
また、ランキングでは3位・大阪府、4位・奈良県、5位・京都府と、近畿地方の3府県が上位に並んだ。1,000年以上前から文化の中心地として栄えた実績や今なお“上方”という呼び方が全国的にも普及していることを考えると、やはりこれらの地域も地元愛が強いということが言えそうだ。
一方で、魅力度ランキング等では上位に入る東京都は16位と、意外にもトップ10には入れず。地方に住む人よりも、地元に対する思い入れが強くない人が多い傾向にあるのかもしれない。また、進学・就職の選択肢の多い東京からあえて離れる選択をした人が地元・東京に思い入れが強くないことや、近年地方移住が盛んになるなど地方の魅力を感じる若者が増えたのも要因のひとつかもしれない。
九州地方の中心地となる福岡県や熊本県の出身者は比較的地元に対する誇りが強い傾向にあることがわかった。東京は“住みたいまち”というより、“働くまち”のイメージが根付いているためこのような結果となったのかもしれない。
参照元:Uターンしたい人が多い都道府県ランキングランキング2021【完全版】【ダイヤモンド・オンライン】