フリマサービス・アプリの利用に関する意向調査が行われ、利用したことがあるフリマアプリランキングが発表された。コロナ禍によりおうち時間が増えたことで新しい趣味をはじめる人や、断捨離をする人など、フリマアプリを利用する目的も多様化してきている。今回は、フリマアプリの需要が高まっている中で利用したことがあるフリマアプリランキングで1位に輝いたサービスの動向について伝える。
ユーザー数の多さでメルカリが1位に
MMD研究所は4月、全国の20歳~69歳の男女6,593人を対象に実施した「2021年 フリマサービス・アプリに関する利用実態調査」の結果を公表した。フリマサービス・アプリの利用経験者3,606人に対する「利用したことがあるフリマサービス・アプリ」という設問では、63.0%のユーザーが「メルカリ」と回答した。続いて2位「ヤフオク!」58.4%、3位「ラクマ」29.1%という結果に。ユーザーがアプリを選ぶ上で重視している点として「出品・購入のスムーズさ」「使い方のわかりやすさ」「手数料の安さ」「ユーザー数の多さ」などが多数の支持を得た。
「手数料の安さ」について詳しく見てみると、メルカリの販売手数料は10%。売上金でお急ぎ振込を利用する場合は、通常の振込手数料200円に加え、別途お急ぎ振込の手数料が200円追加される。また、購入時に発生する決済手数料は、クレジットカードなら0円、コンビニ・ATM・キャリア決済の場合は100円が必要だ。
これに対し、 Yahoo! JAPAN が運営する大手フリマアプリ・PayPayフリマは、2021年1月より販売手数料を10%から5%に値下げ。半減させるという思い切った選択に発表時には「販売手数料が業界最安値」だとして大きな話題となった。また、今回3位にランクインしたラクマの販売手数料も6%とメルカリより4%も安い。それにもかかわらずメルカリの利用率が高いのはなぜなのだろうか。
メルカリの強みといえば、ユーザー数と出品数の多さだ。幅広い商品を売買することができ、2020年12月には累計出品数20億品を突破したことも発表されている。さらに日本国内の利用者数は月間1,755万人と、ユーザー数が多いことで「自分の出品した商品が売れやすい」というメリットを持っているのだろう。サービス開始からフリマアプリの代名詞として業界のトップランナーとしても知られている。また、ゆうゆうメルカリ便など、格安で発送できる独自の発送方法もユーザーから高い評価を受けている。
だがそんなメルカリをはじめ、フリマアプリには問題点も存在する。それは、人気ブランドの限定品やライブチケットを買い占める“転売ヤー” だ。コロナ禍ではマスクの転売行為も大きな話題となった。
同調査の「転売品への意識」に関する設問では、購入者として42%が「転売品はほしくても購入しない」と回答し、「購入する」「購入を検討する」を抑えて1位に。自身が出品者となる場合も50%以上が「意識している・やや意識している」と回答した。この調査からフリマアプリユーザーのリテラシーの高さが伺える。
転売行為に対しては国や各種業界団体もさまざまな場面で、“転売反対”の立場を示している。こうした意識は今後もユーザーに広く浸透していくだろう。そうなってきたとき、もし「私たちのサービスでは転売を許しません」と明確な立場を取るサービスほどユーザーの支持が集まることになるかもしれない。
今後のフリマアプリのシェアの動きは、転売との向き合い方にかかってくるのかもしれない。
参照元:フリマサービス・アプリで転売品を購入しない人は42.9%、出品の際に50.6%が転売かどうか意識すると回答 利用したことがあるフリマサービス・アプリの上位は「メルカリ」「ヤフオク!」「ラクマ」【MMD研究所】