2020年に一気に世間に浸透していったWeb会議システム「Zoom」がさらなる進化を遂げるようだ。今度はなんとライブイベント等もZoom上で楽しめることになりそうだ。ZoomはWeb会議システムの中では、仲間内でのオンライン飲み会が快適に楽しめるようなシステムの充実を図るなど、よりプライベートな利用シーンの充実に注力しながら差別化してきたサービスだ。今度はオンライン上で、アーティストのライブ会場を訪れたときのようなバーチャル体験を提供してくれることになりそうだ。
Zoomが新プラットフォーム・Zoom Eventsを発表
Zoomを提供するアメリカのZoom Video Communicationsは現地時間5月19日、バーチャル体験機能を備えたプラットフォーム「Zoom Events」を発表。夏頃にリリースされる予定であることを明かした。
Zoom EventsとはZoom Meetings、Chat、Video WebinarといったZoomの各種サービスを統合したイベント主催者向けプラットフォームであり、チケット制ライブイベントのプロデュース、収益など各種イベント統計情報の追跡等も行えるのだという。
またZoom Eventsには、Zoomが2020年10月に公開し、現在はβ版として提供されている“イベントの発見と収益化のためのプラットフォーム”「OnZoom」の機能も備わっている。OnZoomはユーザーが自発的にセミナー等のオンラインイベントを検索し、チケットを購入できるというサービス。
Zoom Eventsではそれらの機能も内包し、イベント情報を集約した「ハブ」、参加者同士が交流できる仮想ロビー、参加者の登録・チケットの発券、イベントの統計とユーザーアクセスを管理するダッシュボード等の機能を集約した、利便性の高いオールインワンプラットフォームとなるようだ。
2020年に突如襲った新型コロナウイルス感染症の影響で、様々なイベントが“密”になるとして自粛を余儀なくされたことは記憶に新しい。2020年2~3月から大規模なイベントが軒並み中止しており、アーティストやアイドルのライブを心待ちにしているファンにとっては寂しい日々となっているかもしれない。
実はこのZoom Eventsは、そんな現代の救世主になる可能性を秘めている。これまでもオンライン配信等でライブを実施するアーティストもいたが、やはりそれは画面越しに“推し”が歌って踊る姿を見ている感覚が強く、どちらかと言えば「ライブを見る」よりも「ライブ映像のDVDを見る」感覚に近かった。
しかしZoom Eventsでは「バーチャル体験機能を備えている」こともポイントのひとつのよう。“参加者同士が交流できる仮想ロビー”というのも、ライブの開演を心待ちにするファンの熱気が渦巻く会場入り口の空気が再現できたとすれば、ファンは“現地参戦”と変わらぬ満足感をオンラインライブで得ることもできるだろう。
以前と変わらぬ規模のライブ開催が実現するにはまだ時間がかかるだろう。それまでの穴埋めだけでもオンラインライブの充実が補ってくれるとファンとしても嬉しいことだろう。今後正式なお披露目を迎えるZoom Eventsには期待を寄せていきたい。
参照元:Zoomが仮想イベントプラットフォーム「Zoom Events」を発表 今夏リリース予定【ITmedia PC USER】