昔から美味しいものほどカロリーが高い、もしくは体に悪いなどと言われてきたが、どうやら見た目からも、その傾向はあるようだ。このほど、料理写真に関して、SNS上で反応が多いほど、カロリーが高いという研究発表がされた。人を惹きつけるには、それだけの理由があるようだ。
料理は味だけではなく香りも見た目も大事
飲食店にいると、必ず見かける料理の写真を撮る姿。最近では、店だけではなく自分で作った料理も撮影しSNSにアップする人が増えている。今回の研究結果によると、SNSに「料理画像を投稿する」という文化が一般的になっており、Instagramの「#Food」には約4億件、「#Foodporn(フードポルノ:いわゆる映える料理写真)」には2億5,000万件の投稿があるそうだ。
人はなぜ料理の写真を撮るのか。最も多い意見は、美味しいものや盛り付けが美しい料理は、友人や家族とその情報を共有したいというものだろう。また、料理は五感で味わうものだから、写真として残し、目で見て、食べて、感じたことをあとで振り返りたいという意見もある。そう、目でも楽しむのが料理なのだ。そして、そのような映える料理は「いいね!」が多くつきやすく、栄養価が高い傾向にあるというのが、今回の研究で分かった。
SNSにどれだけ反応があったかを表す指数、エンゲージメント数と被写体となった料理自体の栄養価(推測値)を比較したところ、「カロリー密度(重量あたりのカロリー)」がエンゲージメント数にプラスの影響を与えていると判明。さらに栄養価の中でも、「飽和脂肪」が特に鍵になるという傾向も示唆された。つまり、焼いた赤身肉の上にバターをのせたような、ハイカロリーな料理ほど反応が多いというわけだ。
たしかに、写真を見た人が「食べたい!」と思うような写真ほど「いいね!」を押したくなってしまうのは仕方のないことだ。普段は高カロリーな食事を避けているストイックな人でも、完全に食べたいと思わなくなるかはまた別の話と言えるだろう。まさに人間の中に眠る動物の本能がいいね!と言っているような構図とも考えられる。
研究グループでは、いわゆるシズル感を出す撮影テクニックを活用すれば、野菜のような健康的な食品の注目度を高められるかもしれないと指摘。料理写真は、人が口にするものに影響を与える。どのような要因が料理写真の注目度を高めるのか興味深いところだ。
今後インスタで野菜料理の写真にいいね!が殺到するような時代が来たら、人間の食生活も少し変化が訪れているのかもしれない。
参考元:食べ物の写真は「カロリーが高いほど受けがいい」という傾向が明らかに【GIGAZINE】