飲食店やコンビニのアルバイトがふざけて不衛生で悪質なイタズラを行い、その様子をSNSに投稿して炎上する「バイトテロ」。2013年頃にもメディアで大きく取り上げられ話題となっていたが、2021年6月、またしても複数のバイトテロが話題となっている。しかし、時代とともにバイトテロの性質も違うものとなってきているようだ。
「バイトテロ」の流出も静止画から動画に
6月5日、コンビニ店員らが店のバックヤードに設置されたモニターで、レジに並ぶ女性客の胸をのぞく問題行為がTikTokに投稿された。8日には、ピザチェーンの店員がシェイクをヘラですくってなめる様子が撮影され、インスタグラムに投稿された。13日には、カレーチェーン店員が休憩室でまかないのカツカレーに体毛らしきものを「スパイス」と称して投入する様子がまたしてもインスタに投稿されていた。
今回の件も2013年の件も、多くの人が「なぜそんなバカバカしいことをやって人に見せびらかしたいのか?」という疑問が真っ先に湧くことだろう。しかしよくよく見ると、バイトテロの事情も時代とともに変化しているという。
その変化がどういう点にあるかというと、2013年に起きたバイトテロでは静止画が流出していたが、今回のバイトテロでは動画が流出することになった。というのも、インスタのストーリー機能は2016年に実装され、Tik Tokは2017年に日本でリリースされるなど、今回までの間に若者のSNS投稿のトレンドが静止画から動画に変化している背景があるからだ。
いまの若者たちがスマートフォンを手にしたときには、もうすでに動画投稿は一般的なものとなりつつあっただろう。実際、多くの若者たちにとって、動画をSNS上に投稿することには抵抗がないらしい。それが悪い方向に働いて、悪ふざけの様子をあまり気にもとめずに動画に残し、それをSNSに投稿してしまったのだろう。一連の状況がすべて見えてしまうからこそ、動画として拡散されるほうが、タチが悪いとも言えるだろう。
炎上におけるプロセスも変わってきている。2013年は、問題の写真を当の本人や撮影者がツイッターに投稿し、ツイッター上で数万人規模のユーザーに閲覧されたことで瞬く間に拡散し炎上することになった。というのも、炎上してしまった本人はツイッターが誰でも見られるオープンなものとは知らずに投稿してしまう、という経緯がほとんどだったようだ。
しかし、今年のカレーチェーンのバイトテロの場合は、投稿された動画は元々鍵付きアカウントのインスタで「ストーリー」に投稿されていたものだったようだ。「なぜネット上で流出したのかは不明」だというが、仲間内に売られたのだろう、としか言いようがない。
ちなみに、ツイッターに転載した第三者は、人気YouTuber宛に拡散を希望するために転載したらしい。それは正義感からの通報なのか、当人を貶めてやりたいとする悪意からなのか……?その真実は分かりようがないが、いずれにしてもバイトテロのような不適切行為は絶対に許されるべきではないのだ。
参考元:“バイトテロ”再び 8年で変質した炎上の背景を考える【ITmedia NEWS】