オンラインでの買い物が増えた2020年。宅配便大手3社(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便)の宅配便取り扱い個数の合計が約45億3,000万個にのぼったことが各社の実績から判明している。また再配達によるドライバーの疲弊が問題となり、宅配BOXの設置や置き配を実施するなど、受け取り方法の多様化が進んでいる。利便性が高い置き配について、株式会社ライナフが意識調査を行ったので紹介しよう。
いつでも自分の都合で受け取れる便利さが魅力
AI、IoTで不動産のデジタルリノベーションを実現するライナフは「置き配カンファレンス 不動産と物流の未来」において、置き配に関する入居者アンケートの結果を公表した。それによると、置き配対応の物件に住みたい人は92.2%と、置き配対応を望む入居者の声が大半を占めた。その背景には、宅配BOXが設置されていても、BOXに入らないサイズだったり、すべて利用されていたりと、再配達となるケースがあるからだ。実際、調査結果でも82.3%が、宅配BOXがあっても再配達を経験している。また、飲料水やお米といった重いものを家の前まで運んでほしいから配達を利用したのに、不在にしたばかりに宅配BOXに入れられてしまったという人もいるだろう。これが置き配だったら…。と80.4%の人は宅配BOXより置き配を利用したいと答えている。
置き配について良いと思う点について、最も多かったのが「不在時でも受け取れる」。次いで「非対面・非接触で受け取れる」、「再配達依頼がなくなる」、「インターホンに出る手間がなくなる」、「玄関先まで荷物を運んでくれる」という結果に。なかには、「テレワーク中にインターホンが鳴らずにすむ」といった声も。
とはいえ、43.9%が「盗難」について不安を感じており、被害が多いのも事実。最近では、大手賃貸会社がオートロック付きの賃貸住宅で、置き配に対応する実証実験をスタートした。これは宅配ドライバーが専用の配送アプリ上で操作すると、建物のオートロックを解除できるというもの。また、ライナフもアマゾンジャパン、ヤマト運輸と提携し、オートロック付きのマンションで置き配を可能にするサービスを発表。さらに大手の不動産管理会社でも置き配対応の動きが出ている。今後は、置き配対応かどうかも物件選びの条件に加わりそうだ。
ほかに、置き配で不安なことについては、18.5%「伝票番号を見られる」といった個人情報の観点や、16.4%「雨風、汚れ」という衛生面が上がった。置き配で利用したい商品については、380件中、雑貨・日用品が156件と最も多い結果となり、飲料が97件、衣類が78件、そして家電、食品、ペット用品と続く。日用品や飲料など、日々の生活で使用する消耗品を中心に置き配の利用が多いことがわかった。
ライフスタイルの多様化を背景に、受け取り方法の選択肢が広がる置き配。盗難や伝票情報漏洩といった不安点を払拭し、利便性がさらに高まるよう期待したい。
出典元:80%が宅配BOXの代わりに置き配を利用したい、宅配BOXがあるのに再配達を経験。宅配BOXよりも「置き配」を望む声が大半を占める結果に。 ライナフ、置き配に関するアンケート結果を発表【Linough】
※サムネイル画像(Image:Sasima / Shutterstock.com)