「オール電化」物件って本当はどうなの? 住んで得する人・損する人

最近、調理器具やお風呂などの給湯を、ガスを使わずすべて電気で賄う「オール電化」の物件も増えてきた。ガス料金がかからずお得というのが売り文句だが、場合によっては逆に高くなってしまう場合もあるのだ!

生活パターンや人数によっては節約にならない

「オール電化」物件って本当はどうなの? 住んで得する人・損する人

オール電化「エコキュート」の貯湯ユニット。夜間に昼使うお湯を沸かしておくシステムなので、家族構成や仕事のスタイルなどによって、必ずしもガス併用時より得するとは限らない

 ガスの基本料金が不要となる「オール電化」は、都市ガスに比べて料金の高いプロパンガスの使用世帯、冬季の暖房が必須な寒冷地では圧倒的なコストパフォーマンスを誇るのは周知の事実。しかし、それ以外の地域では節約にならず、逆に電気料金の高騰を招くケースもあるのだ。
 オール電化といえなIHクッキングヒーターを思い出す人も多いだろうが、単純にガス器具を電気製品に置き換えるだけではなく、夜間の安く設定された余剰電力を熱として蓄え、昼にそのエネルギーを利用するリサイクル設備とセットになっている。そして、一般的な家庭が契約する「従量電灯」よりも、昼間の電力料金が少し割高なプランに加入していることが特徴だ。つまり昼間に電気を多く使う自宅勤務者や専業主婦、子供が多い世帯では、夜間に蓄えたエネルギーをたちまちに使い切ってしまい、逆にガスを使うよりも電気料金のほうが高くなるケースもある。

システムを理解すればより節約に!

「オール電化」物件って本当はどうなの? 住んで得する人・損する人

(Image:Shutterstock.com)

一人暮らしの風呂やシャワーならば、オール電化よりも都市ガスの方がコストパフォーマンスがいいことがある

 オール電化のシステムが熱として蓄えた夜間電力は、主に風呂などの給湯に使用される。つまり朝に風呂やシャワーを浴びる家庭は日中にエネルギー切れとなり、高い昼間の電気を余分に消費することになりかねない。だが逆に、深夜に入浴する生活サイクルならば、安い電気料金でお湯を沸かし、溜めた熱エネルギーも効率的に使用できるというわけだ。
 また単身者の場合は、普通のガス給湯物件への入居がおススメ。料理をしない人間にとって風呂にしか使わないガスは一見ムダに見えるかもしれないが、シャワーや風呂だけならば都市ガスを使った方が安くなる場合がある。実はオール電化のシステムは1日の風呂に必要な量よりも多い熱を毎日蓄えているので、1人ではその分を使い切れずエネルギーをロスしてしまうのだ。
 このようにオール電化の特性を理解すれば、今までよりお得に利用できるだろう。

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