ここ数年で、我々生活者にとって環境問題はかなり身近なものになった。日常生活において「SDGs」というワードを耳にする機会も多くなったのではないだろうか。そんなSDGs(持続可能な開発目標)のひとつとして掲げられているのが、「気候変動に具体的な対策を」。日本では、2030年度までに二酸化炭素=CO2の排出量を46%削減(2013年度比)することを目標に、さまざまな取り組みを行っている。
では、個人がCO2削減のためにできることは何だろうか。そもそも自分たちはどれくらいのCO2を排出しているのだろうか。今回の記事では、国立環境研究所が発表した国内52都市のCO2排出量ランキングについて解説していく。
ワースト3位は徳島市、2位福島市、1位は意外な…
国立環境研究所らの研究チームは7月26日、「国内52都市における家計消費のカーボンフットプリント比較」を公表。カーボンフットプリントとは、市民による直接・間接的な温室効果ガス排出量のことを指す。つまり、「個人でCO2を排出している都市ランキング」である。ここではワースト5を抜粋して紹介する。
ワースト5位は香川県高松市、四国ではかなり都市化された地域だ。4位は山口県山口市、自然も娯楽もあることから「ほどよい田舎」と称されることも多い。3位は徳島県徳島市、高松と同じく四国の中では都市としての機能が充実した地域である。2位は福島県福島市、当方の玄関口として知られている。そして不名誉な1位は茨城県水戸市。何とも意外な結果である。
東京都区部は意外にもワースト29位に
空気があまりきれいではなさそうな東京がワースト上位に食い込むかと思いきや、東京都区部はワースト29位。CO2排出量に関しては、なんと全国52都市の中で平均点以上の成績であった。
一方でワースト上位に浮上してしまったのは、いわゆる“田舎の都会”とされる地域。地方なので移動には車が必須、しかし都市としての側面もあるので交通量は多い、すなわちCO2を排出する車が多いといったところだろうか。そう考えると、公共交通機関が充実している東京のCO2排出量が少ないこともうなずける。
環境に対する意識が高まりつつある日本。レジ袋有料化から約1年経ち、もう不満を漏らしている人はほとんどいない。メーカーからは機能性抜群なマイボトルが次々と発売されている。たしかに地方において車移動は必須だが、燃費の良し悪しや運転の仕方については、個人が少しずつ意識して変えていかなければいけないのかもしれない。
出典元:国内52都市「消費に伴うCO2排出量ランキング」ワースト1位は茨城県水戸市。人口集中する東京都区部ではない理由【BUSINESS INSIDER】